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修士2年の金田です。
私の所属する研究室では、中小から大手の技術者の方々が見学に来られる機会が多く、今回は大手企業の○○の研究所から3名見学に来られました。
私たちが取り組んでいる研究によって、何か新しい着想を与えられているかはわかりません。
しかし、少なくとも最前線で活躍されている技術者に対して、自分の成果を説明する機会を与えられた私たちにとっては、貴重な訓練の機会となっています。
今回は、本研究室の主力テーマである屋内測位・手話認識・人力発電の3テーマのデモンストレーションを見学していただきました(今年度のCEATEC出展実績のあるテーマです)。
その時の様子と、素直な所感を綴ります。
始めに、情報技術と連動した人力発電システムの説明です。
システム自体はすでにECO推進室に移され、学内で利用する充電池の定常運用のサイクルにフェーズが移行しているため、今回はデモ動画による説明に留まりました。
その代わりとして、11月末まで海外からのインターンシップ生が取り組んでいた、スマートフォンの加速度センサを用いたVRシステムのデモンストレーションを体験していただきました。
スマートフォンを所持し、歩行/走行動作を行い、その速度に応じてVR空間上の風景が変化していきます。
VR空間と歩行動作との連携におけるリアリティの高さから、かなり感心されている(または驚かれている)ように伺えました。
次に、音を用いた屋内測位システムのデモを行いました。
スマートフォンから発生させた音を複数のマイクセンサで受信し、その受信時間差から端末の位置を高精度に検出するシステムです。
加えて、測位信号に情報データを重畳することで、センサ値も併せて送信するシステムを現在開発しています。
その基本となる要素技術を用いたデモも行いました。
現在引き継ぎ中の3年生に、システムの構築をしてもらいました。
が、温度センサからの温度データが正しく受信できていませんでした(訪問される前の確認段階では受信できていました)。
これもまた、彼らにとって経験です。原因の究明を宜しく頼みました。
具体的なアプリケーションや、どうビジネス展開するかなど、やはり商業的な視点での質問が寄せられました。
商業化に向けた取り組みも、大きなテーマ(ネタ?)の一つとして考えられますが、低コスト・長寿命・保守性や小型化といった、学術的課題とは異なった難しさがあると思います。
最後に、カラー手袋とWebカメラを用いたHMMによる手話認識です。
今流行りの機械学習の一つ、隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model :
HMM)を用いた手話認識の研究です。
フィードバック型の手話学習ツールに用いることを目標としており、手首に配色した色の重心位置や速度・角度などの特徴量から、尤もらしい手話単語を選出することで、手話が正しく行えたかを判定します。
時間が限られていたため活発に議論することはできませんでしたが、真剣に何かを吸収しようとする強い姿勢を、短い時間の中で感じました。
こうした機会から学生と社会人の真剣みの差を強く感じるようになりたいですし、これから社会を担っていく後輩たちも実感してほしいと強く思います。
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確かに予定の30分はあっという間でした。さすがに修士になると要領を得た回答をしてくれますね。私は傍観者の立場で見ていました。修士の3人は、今年3月で修了です。留年させてたい気持ちはやまやまなのですが、あたたかく彼らを送り出さねばなりません。
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