2008年11月28日金曜日

GAINERの魅力 ― 遠藤先生 インタビュー

2008年11月22日から3日間、本学と東京工芸大学においてFunnelワークショップが開かれました。その講師の一人、遠藤孝則先生 は本学の工学部情報工学科(現在の情報学部情報工学科出身)です。 そこで、お忙しい中、遠藤先生に時間を取っていただき、本学に関することや、GAINERに関するインタビューをさせていただきました。

遠藤孝則先生(工学部情報工学科出身)

―神奈川工科大学情報工学科出身ということですが、学生時代と比べて何か違いなど感じることはありますか?

10年前ほどに神奈川工科大学の情報工学科を卒業したのですが、その当時は工学部情報工学科で・・・、何か小さな大学だなぁという印象を持ちました(笑)。

でも、いつのまにか大きくなってきていて、綺麗な建物になり設備も整ってきているようですし、今では情報学部として独立してあるように、どんどん発展してきている印象を受けます。

こんな綺麗な建物*もできているし、研究室などもすごく設備が充実しているように見えます。



―学生時代はどのような学生でしたか?

4年生でゼミに配属されるまでは、部活などをしていました。ただ、ゼミに配属されると、インターネットにコンピュータに書籍にと、プログラムやCGを行う環境がそろっているため、自然と居座るような感じになり、結果として集中して勉強ができました。


GAINERの基本セット


-今回ワークショップでお話なさるGAINERとはどのようなものでしょう?


ハードウェアの試作を簡単にできるツールキットです。センサーなど、電子回路の出力をコンピュータに入力するI/Oモジュール、それを制御するためのソフトウェアライブラリから成り立っています。

同じようなツールキットは世界中で同時期に開発が始まりましたが、GainerはシンプルにFlashやProcessingなどの環境から手軽に扱えるという点が優れていると思います。それと"国産"というのも大きなメリットだと考えられます。海外でもいくつかGAINERのようなモジュールがすでに開発されていますが、やはりドキュメントなどが英語というのもあって初心者には中々手を出しにくいところがあります。その点GAINERは、国産であるためにドキュメントが日本語で手に入り初心者でも入りやすいものだと思います。

まだまだだとは思いますが、最近は今回のようなワークショップなども開かれるようになって、少しずつ広まってきたのではないのかなと考えています。


ワークショップ内で解説中の遠藤先生

―そのGAINERや今回なさっている分野の出会いというのはどのようなものだったのでしょう?また、この分野の第一人者かと思われますが、GAINERがなぜ人気が出てきたとお考えですか?

卒業後、IAMAS**に通い始めたのですが、そこでインターフェイスデザインとインタラクションデザインの研究室に入ったのがきっかけですね。そこが最初の出会いでした。工学部にいるころは、あまり考えていなかった、インターフェースやデザインに触れて大変触発されました。その後、小林先生***などと一緒に開発を始めました。

GAINERが登場したのは、時期的にも、ちょうどWebが発達し、Web2.0と言う言葉が出てきたような時代で、それまでは個人で制作したものが発表する機会も場所もほとんどなかった時代から、簡単にYouTubeなどですぐ公開できるようになった時期でした。そんな状況によって、自分で様々な作品を作ろうとする人たちが増えたのですが、GAINERはそのムーブメントにうまく乗れたものであると思います。


―最後に将来の後輩になる高校生や大学生に何か一言お願いいたします。
やりたいこと、作りたいこと、なんでもいいですが、一つ何か「具体的に」目的をもってほしいです。あいまいで大きな目標でなく、1、2ヶ月ぐらいで実現できる、とりあえずの小さな目標の積み重ねが、最終的に大きな目標を達成できるカギになると思います。


今回のGAINERは遠藤先生がおっしゃるように今の時代にあった最新の技術です。このような最新分野で卒業生が活躍するのはうれしく思います。


(インタビューアー 情報学部情報工学科 佐賀亮介)


*綺麗な建物: KAIT工房のこと
**IAMAS:Institute of Advanced Media Arts and Sciences 情報科学芸術大学院大学
リンク:
IAMAS
***小林先生:共同開発者、IAMAS 准教授 小林茂氏
リンク:
Shigeru Kobayashi (小林茂)―IAMAS DSP-


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