“卒業生からのメール”であって“カナダからの手紙”ではありません。わからないだろうな。
ある研究室では学祭の期間に研究室の同窓会を行っています(過去の記録は、リンク1、リンク2)。大学院進学予定の4年生が案内を出し、飲み会等その運営を一括管理しますが、ついでに?先輩から私のところにメールが来るときもあります。
本学科を卒業して実社会で活躍している先輩からのメールで、非常に示唆に富むというか有難い話が多いので、ほとんど転写の形で掲載します。
このメールをくれた先輩は4,5年ほど前に卒業し、システムインテグレーションの会社(SIer)に就職した先輩です。非常に硬かった学生ですが、社会で大きく成長したようです。一昨年の同窓会でそれを強く感じました(辛口でなる?隣の部屋の先生がそう言っていたので間違いないです)。
以下、赤字は私の追記です。あとは、そのままメール文章の転記です。
■先輩からの書籍紹介
この辺を大学生のときにがっちりやっていれば、大手SIerとかでも、無敵の戦闘力を発揮できると思いますよ!
(暇人なので、挫折したRelational Theory以外はだいたい全部読んでます!合わせて英語のべんきょーばかりしてたので大体読めます。)
(たくさん紹介されているので、どれか一つ選んで読んでみてはいかがでしょうか?)
* ソフトウェア設計・オブジェクト指向
- Head First Design Patterns
- Head First Object-Oriented Analysis and
Design
- Pattern-Oriented Software Architecture, A
System of Patterns
- Pattern Oriented Software Architecture
Volume2
- Patterns of Enterprise Application
Architecture
- エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計
- The Art and Science of Smalltalk
ただでネット上で読めて、かつ非常に洗練されているのでお勧めです。
オブジェクト指向の本質や世界観を非常によく捉えています。
* Java固有
- Java Transaction Design Strategies
- プログラミング言語Java
- Javaネットワークプログラミング
- Java 並列処理プログラミング
- Spring In Action
* データベース
- SQL and Relational Theory: How to
Write Accurate SQL Code
- 標準講座XQuery
- Beginning Database Design
- The Art Of SQL
- Head First SQL
- SEのためのOracleチューニングハンドブック
- データベース
速水先生(本学教員)のあれ。凄く薄いですが、Relational Modelを ちゃんとわかっている人が内容を超凝縮して書いているので、過不足無く、なかなか素晴らしいです。
* テスト
- Pragmatic Software Testing: Becoming an
Effective and Efficient Test Professional
ソフトウェアテストの世界観がわかりやすくてグッドです。
- The Art of Unit Testing: With Examples in
.net
- Continuous Delivery: Reliable Software
Releases through Build, Test, and Deployment Automation (Addison-Wesley
Signature Series
Deployment Pipelineの考え方はSIerにはなじまないですが、考え方は非常に役に立ちます。
彼が推薦してくれた書籍(amazon.co.jpから)。ブログで写真や絵がないものなんですので・・・
■いろいろ人生の選択
一時は、Web系のもっとコード書けそうなところからスカウト依頼があったりして、相当迷ったのですが、現状の環境は人への負担が少なくて、みんな真面目で、学歴差別みたいなのもなくて働きやすいし、ちゃんとスキルを磨いて誠実にこなしていけば、いくらでもチャンスはありそうなので、このまま頑張ることにしました(正解です。転職は一時の処遇がいいだけと思います。景気が悪くなると・・・)。
○○○○を紹介して頂き、本当にありがとうございます!
やっぱり海外製の書籍のほうがクオリティが遥かに高いし、情報量も1,2桁多いので海外を目指すのが正解な気がします。英語も才能とかあまり関係なくて、時間をかければだれでもある程度はできるようになるだろうし。
■是非、研究室に来て、後輩に喝を入れてください。
りょーかいです。働いていてわかったのですが、学歴と頭の良さは相関関係はある程度あっても、絶対的なものじゃないことがわかったので、KAIT卒業生でもちゃんとやる気をもってスキルさえ鍛えれば活躍できるってことを伝えようかなぁと思います。
(やっぱり異様に頭の情報量が多くて逆立ちしても敵わない人とかもいますが・・・)
(若い内は死ぬほど苦労して過労死はしないまでも、ボロボロになるまで脳みそと体を酷使したほうがいいと思うのですよ・・・。結婚とか、恋愛とか、あまり興味が無いので。(興味がなくても、人生設計は大切です!!!))
■彼の雑感
そうですね、○○とか、○○相手の仕事はほぼ間違いなく枯れないので、スキルがあってまじめに取り組めばずっと仕事を続けられそうです。硬すぎる、非効率というのも、扱ってる仕事の内容的にそれが求められているし、真面目の裏返しということがWeb系企業の面接でよくわかりました。
■英語の勉強について
それと今、本気で英会話をちゃんとやりたいなぁと思ってるのですが、KAITの施設とか上手く使えないですか。ロゼッタストーンとか、本とかで数ヶ月格闘したのですが、口が動くようになり、耳が慣れても人前で英語で考えて英語でしゃべる練習にはならないことがわかったので・・・。
(錦糸町の英会話クラブというやつに一回言ったのですが、留学してた人とかがべらべら喋るのを100%聞き取れても、緊張し過ぎて頭が真っ白になって何もレスポンスできず、トラウマになりました)
勉強のときは、文法等は大切にして、重要ポイントはしっかり暗記してください。でも実際に使うときは、それらのルールを一切忘れて、体で反応してください。文法等を意識すると英語は出てきません。バッターが無心で投球に反応するのと同じです。テニスだっていちいちフォームを気にしていて返していたら試合になりません。実践英語(学問ではない)はスポーツや楽器と同じだと私は思っています。
先輩から後輩へ、というつながりを通して、本学のブランドを少しでも高めていきたいものです。活躍する先輩を見習って(教員も見習ってください)、後輩も頑張ってほしいと思います。是非、同窓会では多くを感じ取ってください。教員も若い人たちと食べ放題、ということでついつい負けてなるものか、ということで大変な宴会となります。