教員のお仕事 - 番外編 -
先日、いわゆる学外業務(下記参照)でつくばの宇宙センターへ行ってきました。さっそく、レポートします。が、その前に、...。
大学教員の仕事は基本的に次の3つに分けられます。
教育:これは事前準備を含め、講義や実験授業を行うこと(成績づけもあります)や学生のケア(よろず相談受付。残念ながら、私は学生から恋の悩みの相談を受けたことはありません。そのときは、豊かな経験?から実践に基づく有益なアドバイスができると思っているのですが・・・)などです。
研究:これは、自分の専門分野の課題に取り組み、新たな知見を得て、それを国内外に発表したりすること。教員のスタイルにもよりますが、研究室の学生と一緒に取り組む場合が多いです(少なくとも私はこのタイプですので、学生への期待度は高いです(笑))。
学内業務:これは、講義のカリキュラムを検討したり、入試問題の作成や採点など。最近はオープンキャンパス関係の仕事も多いです。
その他に、学外業務と呼ばれるものがあります。これは、学会(研究の専門領域を同じくする大学教員や企業の研究者などから構成される非営利団体のこと。例えば、電子通信学会、情報処理学会などが情報工学科の教員が多く所属しています)のボランティア業務(学会発表のプログラム編成、研究会の世話人や論文の編集、論文の査読(論文の受理/拒絶の判断など)や教科書の執筆、国が運営している審議会など各種委員会の委員などがあります。
前置きはここまで。
私は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究開発本部の外部評価委員を仰せつかっています。今日、その評価委員会に出席し、有益な(ちなみに、そう思っているのは本人だけかも)指摘、コメント、僭越ながら得点付けをしてきました。なお、この評価委員は主として大学の先生で、私を含めて6名が構成メンバーです。
現場で撮った写真とともに(具体的な評価会の内容やもようはオープンに出来ません)。例年2日間フルで出席していますが、今年は修士論文の発表会と重なったので、1日のみの参加となりました。助かった。丸二日間行うと、本当に疲弊します。皆さん、立派な先生ばかりなので、自分の指摘やコメントが浮いていないか?と心配になります。
ここが評価会の行われた建物。この2Fで朝から夕方まで、缶詰め状態でした。前にはH2型ロケットがあります。長さは約50mです。ロケットの打上げは、ここ、つくばではなく、種子島です。
一気にワープ(評価会の報告はスキップ)します。お昼休み、JAXAの事務局の方が新しくできた展示館に案内してくれました。土日も含め一般の方々に公開しているとのことです。
見学旅行の生徒さんを乗せたバスも数台ありました。
ここから新しくできた展示ホールの展示物の紹介をします。宇宙関係に興味ある方はどうぞ。これは誰でもわかりますね。宇宙服です。この後ろに回って、顔を出すとあたかも宇宙服を着ているように見えると思われます。
これは「きぼう」と呼ばれる宇宙ステーションにおける日本の実験棟の実物大モデルです。写真が悪く、ご容赦。
宇宙飛行士が実験を行う「きぼう」の船内実験室。実験ラックが壁面にびっしりへばりついていました。若田さんの映像もこんな感じでしたね。
このラッパのようなもの、何だか分かりますか?これがロケットのエンジンです。細かな配管までは、この写真では見えません。私は始めてロケットエンジンを見たとき、「これは工業製品ではない。芸術品だ。」と思いました。
これは何だか分かりますか?これは、昔の気象衛星“ひまわり”の模型です。外見は大きさを含め、実際のものと全く同じものです。専門用語(ってゆーか業界用語)では、熱構造モデルと言いますが、設計を確認するために宇宙環境の熱真空状態や打上げ時の音響、振動環境を再現した試験を行ったときのものです。
他にも月周回衛星「かぐや」の実寸モデルや、別の建物になりますが宇宙飛行士養成棟、無重力環境試験棟などの見学施設があります。宇宙センターまでは、東京駅から高速バスで1時間ほどです。年中無休、無料なので、興味のある方は見学されてはいかがでしょうか?
帰りのつくばEXPRESSの中で名古屋大学の先生と大いに盛り上がりました。同じ年齢ということもあったかも知れませんが、どの大学でも同じような悩みがあることが分かりました(一安心)。