2015年9月12日土曜日

NGMAST2015 感想

 出張した修士1年海老原 樹君から、今回の学会発表の報告兼感想を寄稿してもらいました。本学の後輩の諸君や今後頑張っていこうと考えている高校生諸君に何らかの参考になれば幸いです。教員による脚色(修正、追記)はありません。全て本人の正直な^_^報告です。
翌日早朝の帰国のためにロンドンに戻って -サマータイムの恩恵です-


*******

発表準備

 今回の学会は初めての英語での発表でした。海外での発表はめったにない機会ですが、私にとってピンチでもありました。

今まで必死になって取り組んでこなかったため、私は英語が不得意です.特に「話す」ことはほとんど行ったことがなく、発表は困難でした。そのため私のレベルでは。原稿を用意してそれを読むやり方が精一杯だと考え、繰り返し読み上げる練習を行いました。

また、発表には質疑応答も含まれています。英語のできない私は想定質問の用意と、それに対する回答とパワーポイントを作成しました。しかしそれでも、自分が質問を理解できない時、想定していない質問がきた時のために先生との意識合わせを行いました。

初めての外国の印象

 イギリスは日本に比べ、気温が低く空気が乾燥していました。私は暑がりなので非常に快適でしたが、早朝には息が白むほど気温が下がっていました。

ロンドンは鉄道が多く走っていて、アクセスに優れていました。ピーク・オフピークと呼ばれる、時間帯によって鉄道の料金が変わる仕組みがあり、日本ではいつでも同じ料金のためこの仕組みには驚きました。また、現金を受け付ける端末が少なく、ほとんどカード支払いのみの取り扱いだったことも印象的でした。

街には昔ながらの家屋が残っており、イギリスの伝統を感じることができました。かなりの数の建物に地下のフロアがあり、私たちが初日に宿泊したロンドンのホテル(元民家?)も地下がありました。食事は地下フロアで頂きましたが、地下にも窓があり、地上から少し掘り抜いてあるため明かりが差し込んできていました。

空き時間にはケンブリッジ大学のいくつかのカレッジを見学しました。伝統的な美しい建物と広い敷地にきれいな芝が印象に残っています。カレッジ自体が観光名所も兼ねている様子で、キングス・カレッジやトリニティ・カレッジでは入場料を徴収されました。その分の価値はあったと感じています。

ご飯は口にあわないものが多かったです。ほぼバッサバサで口内の水分をものすごく奪っていきます。あと硬いです。味は無いか濃いかです。恐らくフィッシュ・アンド・チップスは料理ではなく工業製品です。

発表前後の感想

 私の発表は初日の最後のセッションの2件目でしたが、発表の直前までかなり緊張しました。ロンドン塔では処刑が行われていたそうですが、処刑を待つ人の気持ちが少し分かりました。先生曰く、学会発表で死んだ人は見たことがないそうですが、残念ながら私も生き残りました。

 発表時には声を大きくはっきりと喋ることを意識しました。緊張していたため、どれだけできていたか自分では全くわかりませんが、せめて声の大きさだけは十分であったと思いたいです。質疑応答では、質問が全く分からず、自分で回答することはできませんでした。

例年はNGMASTへの日本からの参加者は少ないそうですが、今年は4組?の参加がありました。学生の発表は私と電通大のM2の方の2件でしたが、電通大の方と私では明らかに英語力に差がありました。原稿は用意しておらず、質疑応答も自分で行っていました。質問の意図を理解するのは難しそうな様子でしたが、質問の意味を本人に聞いて、回答しようとしていました。

今回の外国出張・発表が自分に与えた影響

 英語の必要性を身にしみて感じました。

研究室に配属されてからは以前よりも英語を使う場面が増えましたが、要求されるのは大半がリーディングでした。しかし一度日本を出れば、世界中の国で英語によるリスニング・スピーキングのコミュニケーションが当たり前に行われていることを実際に目にしました。同じアジアの中国の人が、英語で会話しているのを見ると、日本語しか使えない自分に危機感を覚えました。(この人には帰りの電車で同席して英語で会話を試みました。スラムダンクが中国で人気なことや私の名前が中国語ではハイ ラオ ユエン シュウと読めると教えてくれたことは分かりました。これらは文字(自分の漢字)や画像(スラムダンク)などを通しために理解できました。)

私は大学で英語を学習するグループに参加しています。海外発表と英語学習という機会を頂けたことを感謝し、無駄にしないように努力していこう強く思いました。

今後に向けて

 今後も研究に一生懸命取り組もうと思います。先生との打ち合わせや意識合わせ、報連相を忘れずにしっかり行っていきたいと思います。

また、英語学習を地道に進めていきたいと思います。その結果がTOEICのスコアの上昇として出てくれれば嬉しいですが、結果に結びつかなくても諦めずに続けていきたいと思います。

後輩への言葉

 もし自分が学部からもう一度やり直すとしたら、英語の勉強をすると思います。自分はもちろん、今までの研究室の先輩方も英語で苦労をしています。

大学の先生方も英語を重要視している方が多いと感じています。それは企業も同様ではないかと思います。就職しても、進学しても、有利に働くと思います。

その他

 基本的に物価が高く厳しかったです。1=200円で、恐らく物価は2倍程度でした。
 中華料理屋では20(4000)のコースが一番安いものでした。ロンドンのハンバーガーは10(2000)しました。ただお酒は物価に対して安く、2~3(400~600)でジョッキが飲める所がありました。現地民の感覚では200円くらいで飲めているのかと思うと羨ましいです。

■同行教員コメント
 確かに英語に対する反省に満ち溢れて?います。しかし、我々にとって英語は一手段と言うか道具です。もちろん、大切な道具であることに変わりはありません。あくまで自分が日々取り組んでいることを論文化して査読を通し、そして発表する場が与えられたことに、まずは自信を持ってほしいと思います。英語が苦手な分(英語にかけた時間が少ない分)、プログラミングなどが得意なことを忘れることはないです。やっていることを纏め上げ、そして人にその意味と価値を伝える、ということは今後も必要となる能力というかスキルです。今後も充実した大学院生としての取り組みを期待しています。

0 件のコメント:

コメントを投稿