2008年10月28日火曜日

生まれ変わる大学

今、本学(神奈川工科大学)では、新しい施設が建設されています。その一方、古い建物が壊されています。
本学の前進である幾徳工専時代の建物が壊されています。現在の大学のマークが付けられています。感慨深いものがありますが、新しく生まれ変わるのには致し方ないのかもしれません。

この校舎が壊された後は、2009年の4月に中央公園(メインストリート)として、生まれ変わります。きれいになった大学に期待しましょう!。

2008年10月19日日曜日

2008年10月18日オープンキャンパス速報

2008年10月18日に、オープンキャンパスが開催されました。大学全体の説明である大学概要ガイダンスには、87人が参加してくれたようです。

学科別相談 & デモ


情報学部棟2Fで、学科別相談会が行われました。情報工学科では、デモも一緒に併置しています。デモは、
  • FPGAを使ったリアルタイムに画素を2倍にするボード
  • SunSpotを使った並列計算
  • Google MAP APIを使った、本学学生の出身高校自動訪問
などです。 情報を志望していない学生の方にも気楽に立ち寄っていただき、約50人の訪問者がありました。




研究室公開(情報工学科)

今回の研究室公開は、五百蔵研究室でした。五百蔵研究室では、マイコンカーラリーについてと、2008年度のプログラミングコンテスト(プログラミングコンテストの模様はここ)を題材に、人工知能の分野を説明しました。 マイコンカーラリーは高校生の部があるのですが、参加者の中には高校生部門で3位をとった人が訪ねてくれたりしました。
4人の高校生が、マイコン
カーラリーの動きに注目しています
人工知能の説明を聞いています
真剣なまなざしで
説明を聞いています
同時に6人が来場し、大賑わいです
高校生のお母さんも聞きに来てくれました

2008年10月17日金曜日

電子情報通信学会「2008年総合大会」

2008年3月17日~21日の間,北九州学術学園都市において電子情報通信学会「2008年総合大会」が開催されました。
情報系の各研究室からは、8名の学生(7名の卒研生、1名の3年生)が研究発表を行いました.中でも、八木橋さんの研究は発想は簡単ながらも独創的であったため2008年3月に特許出願を行いました.

学生氏名発表タイトル所属研究室
木村寿志既存のWindowsソフトウェアに任意の機能を追加するソフトウェアの開発木村研
小松澤洋樹デジタル音量データの音量補正機能の開発
深沢龍也EAN-128を用いた賞味(消費)期限管理システムの提案
加藤光成ファジー推論によるデジタル画像拡大法のハードウェアへの実装
八木橋和弘USB接続による暗号化デバイスの開発
新巻洋一マッシュアップによる位置-住所情報変換ツールの試作田中研
餘澤勝巳GPS携帯とWeb APIを用いた移動履歴表示システムの開発と基本評価
山本祐次キャッシュするデータをファイル種別で選別するキャッシュ方式の提案五百蔵研

木村さん、小松澤さん、深沢さんポスターセッションによる発表です。残りの方は、口頭発表です。
新巻さんは、当時3年生で、現在田中研究室に在籍しています。

木村さんのポスターセッション発表
小松澤さんのポスターセッション発表
深沢さんのポスターセッション発表
加藤さんの口頭発表
八木橋さんの口頭発表
荒巻さんの折尾駅での記念撮影
餘澤さんの口頭発表
山本さんの口頭発表

追記:木村研究室の発表に関しては、広報誌KAIT 2008春号(No.151)の22ページに詳しく掲載されています(PDF版を見る)

余談:最寄り駅の折尾駅は、日本の行ってみたい駅ベスト10の8位に取り上げられているそうです(日経調べ)。


先生からのコメント


田中先生からのコメント
卒研の成果の発表だけではなく、3年生がプロジェクト研究として取り組んだものも発表しました。教員とともに課題を設定し、得意のプログラミング技術を駆使して、講義の合間や休日を利用して有効なWebアプリケーションを開発しました。
木村先生からのコメント(抜粋)
当日は色々な研究者の方々から質疑およびコメントを頂きましたが,学生諸君が落ち着いてきちんと答えている姿を見て,1年間の卒業研究という期間は非常に大切な期間であることを改めて認識致しました.今回参加した学生諸君にとって学会での発表が今後社会で活躍していくための有意義な経験であったと思います.

納富研究室から4件の研究発表

バイオメディカル・ファジィ・システム学会(BMFSA)第21回年次大会にて
納富研究室から4件の研究発表

2008年10月11日から2日間にわたり高知工科大学(高知県)で開催されたバイオメディカル・ファジィ・システム学会(BMFSA)第21回年次大会において、納富研究室から院生1名、卒研生3名による4件の研究発表を行いました。院生の石田さんは9月に阪南大学(大阪府)で開催された日本知能情報ファジィ学会第24回ファジィシステムシンポジウムFSS2008に引き続き2回目の発表でしたが、卒研生3名は初めての学会発表ということで緊張した面持ちでした。各自15分間の発表の後に5分間の質疑応答があり、他大学の先生方や院生の方々から質問やコメントを頂き、緊張しながらもきちんとした受け応えを行っていました。「学会発表のための発表論文の作成やプレゼンの準備が大変だったが、非常に勉強になった」「夏休みも頑張って苦労した甲斐があったと思う」「反省点も多いが自分なりの工夫を加えて今後の課題に取り組みたい」と各自が感想を述べていました。これからも自らやりがいを感じられる研究活動に積極的に参加して欲しいと思います。
(文責:情報工学科准教授 納富一宏)

左から中山亮介さん、有賀千裕さん、山口晶大さん(卒研生)、石田秀春さん(修士1年生)

石田秀春さん(修士1年生)
中山亮介さん(学部4年生)


有賀千裕さん(学部4年生)
山口晶大さん(学部4年生)

発表題目
石田秀春、他自己組織化マップを用いた打鍵リズムによるバイオメトリクス認証
山口晶大、他打鍵リズムによるバイオメトリクス認証におけるなりすましの評価
有賀千裕、他自己組織化マップを用いたWebの可読性の分析―文字数と改行幅による一対比較―
中山亮介、他自己組織化マップを用いたネットワーク不正アクセス検知

これらの研究は、東京電機大学先端工学研究所 斎藤恵一先生、および工芸大学大学院工学研究科ハイパーメディア研究センター 齋藤大輔先生との共同研究です。

2008年10月16日木曜日

教員が執筆・翻訳した本

本学の本学科の教員が執筆した本の紹介です。 本学他学科の先生との共著も多いです。著者名に以下の印を付けさせていただきます
本学科に所属したことのある先生 下線
現在も本学科に所属している先生
現在、他学科に所属している先生
現在、他大学に所属している先生
あるいは退官なさった先生

文章や画像はamazon.co.jpから引用させていただいております。
掲載順は、発売日が新しい順です。

よく分かるワイヤレス通信 田中博 風間宏志
東京電機大学出版局 (2009/03) ISBN-13: 978-4-501-32690-6


ワイヤレス通信工学に関して、わかりやすく、平易に解説。数学や電気電子工学の知識を前提とせずに学習できる。

リレーショナルデータベースの実践的基礎 速水治夫
コロナ社 (2008/12) ISBN-13: 978-4339024357

データベースの入門書。一貫した具体例を通し(説明のための例題は極力排除して)、データベースの必要性を理解し,リレーショナルデータベースを実践的に使用できる内容になっている。そのため詳しい理論などよりは,実践的な内容の説明に重きを置いている。

グループウェア - Web時代の協調作業支援システム 速水治夫五百蔵重典、古井陽之助(*1)服部哲(著), 速水治夫(編集)
森北出版 (2007/9/27) ISBN-13: 978-4627847415

今後重要となる非リアルタイム・分散型グループウェアを中心に,グループウェアの基本的な事項から応用事例までをわかりやすく解説した.

(*1)古井陽之助先生は、執筆当時、本学情報メディア学科に所属なされ、現在は他大学に所属しています。

人工知能 (IT Text) 松本一教、永井保夫、宮原哲浩、本位田真一
オーム社 (2005/07) ISBN-13: 978-4274201066

人工的に作られた知性「人工知能(AI)」。本書はAIを「現時点ではシステムを賢くする技術」と位置付ける。理想よりは限界の記述に重きを置いた教科書だ。AI研究の第一線に立ち続ける執筆陣が実体験に基づいて関連技術を解説する内容は,コンピュータ・サイエンスの肝を理解するための実用書としても読める。探索や記号論理学といった情報処理に関する基礎技術の解説だけでなく,UMLやXMLを利用してAIが解釈できるデータを記述する,知識のモデリングに章を割いているのは興味深い。
(日経バイト 2005/10/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

モデリング言語UML、XML、セマンティックWeb等、人工知能の基礎から最新技術まで、事例を通して適用法と効果を体系的に解説する。

体系的に学ぶコンピュータ言語 古賀直樹、五百蔵重典
日経BPソフトプレス (2004/12) ISBN-13: 978-4891004262

数千種類を超えるとも言われるプログラミング言語。中でも代表的な50種類ほどにフォーカスを当て,動作モデルや設計概念といった複数の軸で分類している。ガベージ・コレクションやコンパイラの最適化の仕組みなど,処理系の技術も丁寧に解説されている。特徴的なのが,JavaやVisual Basicのような現在主流の言語以外に多くのページを割いている点。PascalとLISP,Prologのソースコードを比較するなど,初心者にとっては未知の世界を垣間見る楽しみがある。
(日経バイト 2005/03/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

さまざまなコンピュータ言語の「技術」と「特徴」を体系的に解説。約50の言語・開発環境を掲載。






やさしい確率・情報・データマイニング 月本洋 松本一教
森北出版 (2004/05) ISBN-13: 978-4627095618

情報化社会において蓄積される大量のデータから、価値のある情報を「掘り起こす」技術として注目される「データマイニング」を、確率の初歩からはじめ、日経平均や個別企業の株価をモデルとした応用解析まで、わかりやすく解説する.

今は「勘」に頼っていられる時代ではない。勘ではない、科学的予測とは何か?株価変動にルールはあるのか?本書は情報系学生・投資家向けに、初学者でもわかるよう確率の初歩から説き始め、やさしい手順にしたがって、読者が著者と一緒に日経平均などを実例としたデータマイニングを体験できるようになっている。



理工系のJavaプログラミングテキスト 山本富士男
技術評論社 (2004/3/25) ISBN-13: 978-4774119960

本書は、プログラミングの基礎(できればC言語による)をひととおり学んだ大学生や一般の方々を主な対象としたJavaの入門書である。

プログラミングの基礎をひととおり学んだ大学生や一般の人に向けた、Javaの入門書。重要な考え方の入った例題を簡単なものから並べており、その例題の説明を通してJavaの考え方と具体的な技術が身に付けられる。

情報処理技術者試験すべてに対応!!計算問題徹底理解―直前必修・短期完全マスター 石井博章速水治夫
森北出版 (2003/09) ISBN-13: 978-4627844513

本書は情報処理技術者試験に出題される計算問題をとりあげ、徹底的に理解することを目的としている。過去に出題された計算問題を分類することにより各章を構成し、まず必要となる知識やポイントをできる限りわかりやすく解説したあと、過去問に挑戦する形式をとっている。また、できる限り多くの過去問を取上げ、解答にもわかりやすい解説を付すことを心がけている。

基礎から学べる論理回路 赤堀寛速水治夫
森北出版 (2002/08) ISBN-13: 978-4627827615

本書はコンピュータの基本的な仕組みを理解するための第一歩を踏み出す書である。具体的には、コンピュータ内部での数値の表現や演算から始まり、論理式、ブール代数、さらには組合せ回路、順序回路の構成までをカバーしている。

コンピュータ内部での数値の表現や演算から始まり、論理式、ブール代数、さらには組合せ回路、順序回路の構成までをカバー。一般解より身近な例を示すことを優先し、コンピュータの基本的な仕組みを理解しやすいよう解説する。




データベース (IT Text) 速水治夫、山崎晴明、宮崎収兄
オーム社 (2002/08) ISBN-13: 978-4274132544

本書は、データベースの基本的な事項を理解することのみならず、将来データベースを使った業務プログラム開発をする人に役立つ知識を提供することを主目的に書かれたものである。

データベースの基本概念からモデル、設計、管理、発展まで、データベースの基礎を体系的に解説。図や例を多く用い、データベースとは何かを直感的に理解できる。データベースをはじめて学ぶ人のための入門書。



Oracle EBSでリアルタイム経営を目指せ―“決められる”マネージャが成功のカギ 赤木健一、速水治夫
工業調査会 (2002/03) ISBN-13: 978-4769351276

バブル崩壊以降の長期不況の中で、経済のグローバル化やIT革新の波が押し寄せたことで、日本企業は大きな構造転換を余儀なくされてきた。事業やグループ企業の再編、生産拠点の海外移転、M&A、さらには雇用調整も含めた組織改革…。今や人員削減の代名詞ともなった、こうしたリストラクチャリングの流れは、21世紀に入ってもなお、加速する一方の状況にある。急激な環境変化に企業として柔軟に対応できなければ、もはや生き残ることは困難となり、従来のビジネススタイルにとらわれない経営革新が、企業の必須課題となっている。ERP(Enterprise Resource Planning)という経営概念、そしてこれを具現化するためのERPパッケージは、多くの企業が直面している、こうした“急激な経営環境の変化にいかに対応するか”という課題を解決するツールである。本書で紹介するOracle EBSもERPパッケージで、リアルタイム経営の最適解を与えてくれる。

今後の企業経営は、経営戦略とIT戦略の連携が重要となる。これを前提に、ERPパッケージの導入事例を紹介する。著者がERPパッケージを導入した経過や内容を中心に全体構想も含めて記す。

オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン
Erich Gamma、Ralph Johnson、Richard Helm、John Vlissides、本位田真一(監翻)、松本一教ら(訳)
ソフトバンククリエイティブ; 改訂版 (1999/10) ISBN-13: 978-4797311129

建築の発想を持ち込む
オブジェクト指向はソフトウエア開発の手法として誕生したが,ほかの分野にも広がりつつある。その一つとして注目すべきなのが「デザイン・パターン」の登場である。

デザイン・パターンとは,オブジェクト指向でソフトウエア設計を行う際に利用するカタログ集である。例えば,経験豊かなプログラマは以前に解いた問題と,これから新しく解こうとしている問題が類似していることに気づけば,以前に使った解法が応用できる。デザイン・パターンとはこうした解法をだれでも再利用できるように一般化(パターン化)したものの寄せ集めと考えればよい。

この考え方と実現手法は,一般にGoF(Gang of Four:4人組)本と呼ばれる本書で有名になった。GoF本は建築家のクリストファー・アレグザンダーがまとめた都市計画のカタログ集『時を超えた建設の道』(鹿島出版会)に強い影響を受けている。この点はたいへん興味深い。オブジェクト指向の導入で,ソフトウエアの世界においても建築学のように,構造をパターン化できることを示しているからだ。

(豆蔵取締役 萩本順三)
(日経NETWORK 2001/07/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

オブジェクト指向ソフトウェア設計の際に繰り返し現れる重要な部品をデザインパターンとして記録し、カタログ化。改訂版ではこれにCD-ROMを添付、現場でブラウザを通して即利用できるパターンカタログデジタル版を収録。特別付録として、原書にはないJavaのサンプルコードを追加。

【技術書翻訳名著シリーズ】
ソフトウェア開発のバイブル群! 弊社がこれまでに刊行した翻訳技術書の中から、長年読者から支持され続けている名著を厳選したのが、本シリーズです。移り変わりの激しいコンピュータ業界で、普遍性を保ち続ける定番をお届けします。ソフトウェア開発の上流から下流まで、入門書からエキスパート向けまで、技術者に求められる選りすぐりの情報がここにあります。


ワークフロー―ビジネスプロセスの変革に向けて 戸田保一、速水治夫、飯島淳一、堀内 正博
日科技連出版社 (1998/04) ISBN-13: 978-4817160652

本書は、ワークフローという言葉を聞いてはいても、その内容について詳しくはわからないとか、どのような事例があるのか知りたいとか、どのような製品を導入すればよいのか迷っているといった読者を対象とし、そもそも「ワークフロー」とはいったい何かからはじまって、ワークフローに関連する様々な話題について解説することを目的としている。いわば、ワークフローの入門書である。

ビジネスプロセスの自動化、すなわちワークフローは、オフィスオートメーションの一つの到達点である。ワークフローとは一体何か、から始まって、ワークフローに関する様々な話題について解説する。

教員の活躍の紹介

本学科の教員は様々な活躍をしています。ここでは、そのほんの一例を紹介します。
DICOMO2007優秀プレゼンテーション賞受賞
DICOMO2007優秀論文賞受賞
五百蔵重典准教授
情報処理学会平成15年度論文賞受賞徳増眞司教授
国際標準化機構(ISO)のワーキンググループのコンビーナ(主査)松田三知子教授
情報処理学会「優秀教育賞」受賞 山本富士男教授


掲載順は、新しいトピック順です。



DICOMO2007優秀プレゼンテーション賞受賞
DICOMO2007優秀論文賞受賞

KAIT 2007年夏号では『「マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2007)」で、優秀プレゼンテーション賞を受賞』したことを報告させていただきました。この受賞に続き、優秀論文賞を頂きました。

優秀プレゼンテーション賞は発表内容を元にシンポジウム期間中に受賞が決まります。一方優秀論文賞は、シンポジウム後に論文の内容を精査し受賞を決めるため、より格の高い賞になっています。

この研究は、本学情報メディア科の速水治夫教授をはじめとした共同研究者です。



情報処理学会平成15年度論文賞受賞 徳増眞司教授

徳増眞司教授らが書いた論文「位相的特徴量に基づく平面ポリオミノ箱詰め問題の解法」が、情報処理学会平成15年度論文賞を受賞しました。この賞は、情報処理学会の機関誌に発表された論文のうち特に優秀な著者に授与されるものです。


この研究の応用例としては、決められた数の部品(素子)をできるだけ小さいLSI内に配置するにはどうしたらよいか、1枚の板からできるだけ多くの部品を切り出すためには部品をどのように配置したらよいか、といった問題があります。

この問題を解くために、正方形をいくつか組み合わせて作られたピースを決められた大きさの箱に隙間無く詰め込む、平面ポリオミノというパズルを設定し、問題を単純化して、コンピュータで効率よく解くための方法を開発しました。パズルを研究に用いることで研究を楽しく、わかりやすく進めています。


この記事はKAIT 2004年 夏号に掲載された記事の抜粋です。
この論文は情報工学科村井保之助手(当時)、および筑波技術短期大学巽久行助教授(徳増研究室の元助手)との共著です。



国際標準化機構(ISO)のワーキンググループのコンビーナ(主査) 松田三知子教授

松田教授は、規格開発のプロジェクトのリーダーとして経済産業省の支援を受け1990年から国際会議へ参加し、コンビーナとして国際会議の議長を務めています。

松田教授が勤めるコンビーナは、情ISO(International Organization for Standards:国際標準化機構)の中のひとつのワーキンググループで、正式名称はISO/TC184/SC5/WG4と言います。組織的には、技術委員会TC184(Industrial Automation Systems and Integration:産業オートメーションシステム
と統合)の下の小委員会SC5(Architecture, Communication and Integration Framework:アーキテクチャ、通信とフレームワーク)に所属する5つのWGのひとつで、そのタイトルは“Manufacturing Software and its Environment”(FAソフトウェア環境)となっています。

ISO16100シリーズは、機能プロファイリング(Capability Profiling)により、プラットフォームに非依存な生産ソフトウェアの相互運用性(Interoperability)を確保するための規格です。ISO16100Part2で提示されている方法論によると、生産ソフトウェアはそのプロファイルをデータベースに登録することにより、生産ソフトウェアユニットとして公開され、生産ソフトウェアシステムの開発者は、データベースに登録されているプロファイルを参照して必要な生産ソフトウェアユニットを選択し組み合わせることにより、自身の要求にあった生産ソフトウェアシステムを構成することができるようになります。また、プロファイルの形で生産ソフトウェアユニットの相互運用を計ることにより、各ソフトウェアユニットの中に含まれるノウハウは隠蔽されることになり、外側から見える生産ソフトウェアの機能とインターフェースによる統合が可能となります。このように、ISO16100シリーズの開発方式は、旧来の規格制定でよく見られたすでにデフォルトで標準となっているものを後から国際規格とするというものではなく、最新の研究成果や情報技術をかんがみながら新しい考え方を導入して国際規格としてまとめていくというものです。また、そのために、大学などの研究機関からのエキスパート参加への強い要請がありました。

実際の活動としては、インターネットを利用した情報交換や意見交換を常時活発に行うとともに、年3~4回程度、WGメンバーが交代でホストを務めながら世界各地を回って国際会議を開催して、終日活発な討議を行い規格開発を進めています。コンビーナは、ISO16100シリーズ開発のプロジェクトリーダーを務めるととも、国際会議の運営を取り仕切るなどの役目があります。次回国際会議は、8月18日~20日に神奈川工科大学で開催します。


この記事はKAIT 2003年夏号(第127号)学科トピックとして掲載された記事の抜粋です

松田教授のコンビーナとしてのご活躍は以下にも掲載されています。





山本富士男教授が情報処理学会「優秀教育賞」を受賞

 情報処理学会全国大会(慶応大学)で、情報工学科山本富士男教授が「優秀教育賞」を授与されました。この賞は、学会創立40周年を契機に、平成12年度より制定され、「優れた情報処理教育の実践を行った個人(5名以内)を表彰する」というものです。具体的な審査は、教育内容と教材等が分かるように構成されたインターネット上のWebページを見て行われました。今回の受賞対象となったWebページは以下のようなものです。
『このページは、(1)情報工学実験Ⅲ、(2)並列処理特論、(3)Java開講準備の3部で構成されています。(1)は3年生の実験、(2)は大学院講義ですが、いずれもワークステーションや並列計算機を実際に使う演習によって理解を深められるよう、5年間に渡って改訂を重ねて来ました。(3)は、新規開講授業の準備のために買い揃えた本が約70冊に達したので、それらの簡単な書評と教科書選定過程を記載したものです。また、演習のためのコンピュータ導入や環境整備、それと実際の演習指導においては、多くの方々の御協力をいただきました。なかでも、情報工学科助手(当時)の荒木智行博士のご尽力は忘れることができません。また、熱心に受講していただいた多くの学生諸君にも感謝したいと思います。今後も、“難しい”という印象を最初に持ったとしても、何とか頑張って演習課題を達成でき、その結果として力がつき、自信が湧くような授業にしてゆきたいと考えます。』と語る山本先生。この受賞された内容は、社会で求められている“大学でしっかりと力をつけてきた人材”の育成プログラムであるとともに、学生のやる気に応える教育プログラムです。


この記事はKAIT 2001年3月号(第115号)情報工学科(学科トピックス)として掲載された記事の抜粋です