2010年10月20日水曜日

情報工学科に必要な数学、必要でない数学

情報工学科に必要な数学、必要でない数学

数学を学ぶ利点は、以下の2つの側面があります。
  • 論理的な思考能力を鍛える
  • 計算力を鍛える

数学が得意ではないという人が多いですが、よく話を聞いてみると、計算が苦手というのが正確のようです。情報工学科は、数学(計算)が必要だと思われているようです。それは、昔のコンピュータの主な仕事はロケットや人工衛星の軌道を計算するなどの科学技術計算だったからかもしれません。

■計算力が必要ないビジネスアプリ、生活支援アプリ

現在の大半のソフトウェアは、ビジネスに使うものや、生活を便利にするものです。これらの分野のプログラミングで大事なのは、手順を正確に示すこと、状況を正しく判断することです。仕事や生活の中で、微分積分することがないのと同様に、ビジネスや生活を支援するソフトの作成に微分積分の知識は要りません。
「手順を正確に示す」ことと「状況を正しく判断する」ことに必要なのは、計算能力ではなく、論理的な思考です。これは国語力(リンク:「国語と情報工学科」)と言い換えてもよいのかもしれません。


■計算力が必要な分野


現在もゲームなどの世界では放物線を描くアニメーションをしたりしますので、ゲームプログラマになりたいという人は、計算力を養う必要があります。
その他にも、加速度計を使って人間の行動を推定したりなどの、解析系の勉強をしたい人は、計算力が必要です。
※ 図は、Wikipediaの放物線より引用


■参考:計算力が苦手な方へ

商業高校出身者の方で、高度な数学を学んでいないことを気にしている人がいます。しかし、上述したように、数学の中の計算力は必ずしも必要ではありません。
たとえば、ゲームプログラマになりたいという人がいたら、本学に入ってから一生懸命勉強し、計算力を身につけてください。本学には基礎教育支援センター といって、高校レベルの数学、物理、英語を支援する場所があります。何に役立つか分からずに興味が持てなかった分野でも、必要性が明確になった今では、一生懸命勉強できると思います。

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