後期最初の第7回i-Androidの会が本日(2011-9-28)に行われました。この日、本学合同企業説明会のため、開始時間を17:00に変更しましたが、約20名(学生約13名+教員7名)が集まり、プレゼンテーションとディスカッションを行いました。後期になって、一段と深い技術内容の発表が相次ぎ、熱心な質疑応答やコメントが出て、予定よりも30分超過して、19:00過ぎに終了しました。今後も2週間毎くらいに継続的に会を開いて行きます。
本日のプレゼンテーションを簡単に記します:
(1)篠原正幸君:Androidアプリケーション開発基礎講座実施報告
このi-Androidの会のなかで、篠原君らによる発案で行われた講座です。Androidソフト開発をやりたくても一定の基礎がないと進めません。それを手助けしてくれる講座でした。講師の篠原君と秋山君らの熱意で実現したもの。21名の受講生がいました。夕方の4回、集中的に行われました。開発環境構築、アプリのライフサイクル、Intentによるアプリ起動、Serviceの利用等々、少しハードルは高かったかも知れませんが、受講生は今後、自らこの分野でやって行くための手がかりは掴めたと思います。
(2)篠原正幸君:GPSを用いた防犯情報共有システムと今後の展開例について
厚木市の防犯モデル地区に認定されている森の里4丁目自治会との連携で開発した。不審者情報の即時性のある情報共有が狙い。その情報は、発生位置から一定の距離内の人々にしか発信されないことを特徴とする。現システムは、高齢者でも使いやすい携帯電話の「簡単ログイン」機能を用いて使用するが、今後は、Android携帯の高度な機能を生かしたインターフェースやアプリケーションの開発が考えられる。
(3) 秋山征己君:Androidから家電機器を操作する方法
リモコンから家電を操作する方法はいくつがあるが、ここでは、Androidから赤外線で家電を操作する仕組みを開発した。Android携帯には通常、赤外線機能は無い。また、PCサーバを経由することも避けたい。そのために、独自に「ネットワークリモコンユニット」を開発した。秋葉原で電子部品を集め、自作したものである。AndroidからWiFiでこのユニットに信号を送る。それに従って、このユニットが家電品に向かって制御用赤外線信号を発する。かなり高度なレベルの技術である。「技術のみでなく、その上位レベルでの役割や目的を考え、さらに有用な応用を考えるとよいのではないか」という趣旨のコメントも先生から出された。
(4)須永光君:Android端末を用いた屋内位置検出法の検討
本学科では、各種の位置検出法に関する研究が行われている。それを概観したうえで、慣性センサを用いた位置検出法を考案し、市販の慣性センサとAndroid携帯に内蔵のセンサの両方で実験/評価した。加速度センサによる移動距離(歩数)推定とジャイロセンサによるコーナリング検出実験では、かなり高精度な結果が得られることを確認。この発表も、新規性のある高度な技術である。今後、Mapサーバとの連携などでアプリケーションの幅を広げることができるであろうとのコメントも出された。
(5)五百蔵重典先生:点字入力エディタ〜ポケモン打てるかな〜
最近のAndroidマシンのマルチタッチ(最大10点タッチ可能)機能を利用した新しい入力方式の発案と実験結果の報告。具体的には6点、または4点を使う点字を入力でき、それが表す文字を表示できる。文字に対応する画像を表示することも可能。入力速度も、通常のキーボード、フリック入力などと比べて遜色のないスピードを確認。今後、他の入力学習ソフトなどとの比較検討も行う。
(6)山本富士男会長:大実験についての説明
これまでにアナウンスしていた大実験(20名程がAndroidを持って集まり、Bluetooth通信で交信し合い、インターネット接続可能な人(一人だけ)へ自動的にメッセージを届け、Twitterへ自動的に投稿)の準備をしていたが、予備的な実験の結果、この大実験は当面中止とした。MONACという素晴らしいAndroidアプリを利用する実験であるが、大人数のもとでのBluetooth動作の管理に困難があること等による。しかし、5台規模のAndroidでの実験結果から示唆されたことは非常に有用なので、今後に生かしてゆく。
(7)田中博副会長:今後の取り組みかたについて
発表(学会、展示会、コンテスト)を目標にしてぜひ頑張ってほしい。また、発表したからと言って有頂天になってはいけない。世の中は深く、厳しいものだという趣旨のお話がありました。学生だけではなく、教員にも当てはまることではないかと思います。ここで閉会となりました。お疲れさま。
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