2012年12月20日木曜日

熊本で発表してきました

 皆様、申し訳ありません。ご期待(誰もしていないけど、一応)の報告が遅くなりました。

 先週の10日(月)から12日(水)にかけて、肥後、熊本の熊本森都心プラザで、電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)主催のHCGシンポジウムが開催されました。発表数 93 件(口頭発表 60 件,インタラクティブ発表 33 件),参加者数 191 名のうち、本学科から8名の学生が発表しました。→これは、結構なことではないでしょうか!!!

 
 
 本シンポジウムはヒューマンコミュニケーションの研究がテーマで、認知科学からヒューマンインタフェース、福祉情報システムなどの分野から多くの発表があります(詳細はhttp://2012.hcg-symposium.org/)。
  
 今回は教員は残念ながら(クマモンを見たかったところです)引率していません。というわけで、学生諸君ものびのび発表、その他を満喫できたものと思われます。今回は、発表後の感想(建前というか表向きの感想が多いですね(笑))ではなく、代表的な質問とそれに対して答えた内容を報告してもらいました。

恒例の集合写真です。これで、確かに学会に行ったことが立証されます。が、発表した証拠にはなりません。

 別グループの集合写真です。看板前に撮影するのが学則ではないです。もう少し、熊本らしい雰囲気が欲しいところです(学会会場では無理だとは思うけど・・・)。
 以下、発表風景です。写真の下に発表者、論文タイトル、質疑応答を記述します。

発表者:学部4年 西田滉季君
論文タイトル:レポート提出を確実にするリマインドアプリの開発
代表的質問・コメント:
 学生の課題提出支援だけではなく仕事におけるタスク管理システムとしても利用できるのではないか?
→新規タスクの追加をシステム化できれば仕事におけるタスク管理システムにも応用できると考えられるので今後,検討を行いたい。


発表者:修士1年 谷村 祐君
論文タイトル:課題提出を支援するリマインダの開発
代表的質問・コメント:
 誰の為のシステムなのか?教員と学生のどちらのためのシステムなのか?
→現在は教員側の立場で作成した。今後は学生側のことも考慮したシステムにしていきたい。
発表者:修士1年 市村亮太君
論文タイトル:スマートフォンにおけるリズム認証手法の検討
代表的質問・コメント:
 たとえばPIN認証において、利用者が故意に「1111」などの単調なものを設定することによって、安全性の低下が考えられるが、リズム認証においても単調なリズムがうまれてしまうのでは?
→現段階では、特に指定を行わずリズムを作成しているので、単調なリズムが作成される可能性も考えられる。リズム作成時に指定を行わないのではなく、たとえば既存楽曲との関連づけを行うことで、単調なリズムがうまれないようにシステム側で促すことが有効だと考えており、今後検証していきたい。


発表者:修士1年 山田健一朗君
論文タイトル:スマートフォンにおけるゲームパッドを意識したキー操作の分析
代表的質問・コメント:
 ゲーム操作の熟練度により特徴差が現れるのか?必殺技を例とした難しいコマンド入力の場合はどのように特徴がでるのか?
→今回は本学学生20代男性を被験者として実験を行っているため、ゲーム経験者が多かったと考えられる。初心者を対象とした実験は行っていないため、世代別や熟練度別などの検討していきたい。若い世代のゲーム経験者というカテゴリで考えれば特徴は出たと考えられる。


発表者:修士2年 野口敦弘君
論文タイトル:自己組織化マップを用いたタッチスクリーンによるリズム認証手法
代表的質問・コメント:
従来のテンキーでの暗証番号認証よりもこの手法は盗まれやすいのではないか?
 →我々の解釈はその逆で、暗証番号は見られてしまうと100%で他人を受け入れてしまう。しかし、リズムの場合、他人を受け入れる確率が最高で約16%にまで減少させることができる。そのため、本手法により、簡単・手軽にセキュリティ向上が果たせると考えている。


これは路面電車の中と思われます。何時の電車なのかが興味あるところです。空いているところを見ると昼間なのでしょうか?

これは、熊本城ですね。築城は、そうです。あの虎退治で有名な加藤清正です。その後、細川家が統治しました。あの細川首相は、その子孫でしたね(学生の皆様、知っていましたか?)。

おお。きれいですね。学会に来た甲斐があったと思うのは、このようなときですね。これで、また新たな気持ちで頑張れますね。

さて、発表の続きです。

発表者:学部4年 菅谷隆浩君
論文タイトル:周辺環境を考慮したカラー手袋による手指形状の認識実験とその評価
代表的質問・コメント:
 どのような場面でこのインタフェースを使おうと考えているか?
→明確な適用シーンは決めていないが、現在は文字表現や周辺機器の操作などを考えている。また、「指先11本を細かく検討しているのは良いことなので、今後も頑張ってください」というコメントをいただいた。


発表者:修士2年 加藤正樹君
文タイトル:VDT作業支援システムに向けたマウスカーソル制御方法の検討
代表的質問・コメント:
マウスカーソルを斜めに動かすときに、頭部を斜めに傾ける方法がイメージつきにくい。視線に応じた頭部の動作でマウスカーソルを動かすことはできないのか?
 →今回の方法は重力加速度を用いているため、視線に応じた頭部の動作は難しい。しかし、首を左右に回す動作は角速度情報を利用すれば実現できるのではないかと考えている。

そして、最後はブログ頻出の秋山君
発表者:修士2年 秋山征己君
論文タイトル:慣性センサ内蔵端末と超音波センサを用いた屋内測位プラットフォームの基本検討
代表的質問・コメント:
 超音波センサは別のレイヤなのか?超音波センサと慣性センサはどのように連携させるつもりか?絶対位置は超音波だけでなくほかの方法でも試せる可能性がある。
→今は別々のレイヤであるが,今後はスマートフォンのスピーカから超音波を出す方法などについて検討していきたい.

 こちらのグループは観光場面?の団体写真はありませんでした。証拠を残さない、ということではないと思いますが。写真からもご認識いただけるように、阿蘇に行ったようです。朝7時に出発したようなことを言ってました。

 とにかく、寒い写真ですね。ここで、より、寒さを強調します。
教員:「ところで、熊本城以外は、どこに行ったの?」 学生A:「阿蘇です」 教員:「あっ、そう」 →アイデアはつまらなくとも記録するように指導しています。

 確かに、普段から、「学会に行ったときは、時間を見つけて(強引に作って)いろいろなところを見てくるように・・・」と指導していますが、ここまでやられると・・・・、ちょっと複雑ですね(ワタシをはるかに凌ぐ行動力、大胆さです)。でも、この逞しさがこれからの人生にきっとよい方向に作用すると思います。これから、卒論、修論の正念場です。これでリフレッシュできたはずなので、今後この8名の活躍がますます期待されます。

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12/21追記

 読み返すと、観光?に対するコメントになっています。これでは、教員として失格ですね。一言追記します。学会発表は研究成果を公開し、その領域の研究の発展に寄与することが目的の一つであり、我々もその一端を担う、ということでやっています。必ずしも最先端のものばかりではありませんが(最先端のものもあると思いますが、これは他者が言ってくれて何ぼですね)、領域の裾野を広げるという意味はあります。もちろん、教育的効果は大きいです。実際、発表経験を通していく中で、学生の大きな成長を感じるときがあります(個人名を出すのは憚れますが、上記Sgy君は成長したな、と感じます(もともとが低かった、という訳ではないので、念のため))。


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