2010年12月22日水曜日

HASC Challenge 2010

データ収集貢献賞受賞
~ HASC Challenge 2010にて ~

加速度センサーが安くなりWiiリモコンや携帯電話などに搭載されるようになりました。特に携帯電話は所持していることが多いので、加速度センサーを使って人間の行動を推定しようという研究が活発になっています。
研究のために大規模なコーパス(*1)を作成しないといけないというスローガンの元、ユビキタスコミュニケーションの権威である名古屋大学の河口信夫教授が主導となって、HASC Challenge 2010というコンテストが行われました。その大会で、神奈川工科大学はデータ収集貢献賞を頂きました。

■データ収集について

データ収集の中心人物は、情報工学科の3年生の以下の3人です。

河本賢治さん   東京都 文化学院 出身
齋木拓実さん   神奈川県 横浜商科大学高等学校 出身
庄司貴哉さん   千葉県 長狭高等学校 出身




集めなくてはいけないデータは多く、収集したデータにラベル付けなどをしなくてはならず、地道な作業が必要です。他大学は5人程度しかデータを集められなかったのに対し、15人のデータを作成したところが評価されたようです。大会で推奨していたセンサーを使うと、4Gまでのデータしか取れません。彼らはデータ測定をしていて、それでは不十分なことに気づき、本学所蔵の10Gまで測定できる機器を使用して、測定した点も良かったのかもしれません。また、複数のセンサーを同時につけることで、今回の大会で要求されている以上のマルチセンサーでのデータ取得になっている点など、データ収集に関して他大学を圧倒した成果を収めました。

彼らは週3日ほど1ヶ月程度、作業しました。階段でのデータを取りに行くために、神社におもむき、蚊にさされまくったそうです。また、データ収集中、地元住民から何をしているか声をかけられ、励まされたりされたそうです。

彼らに実験の際のエピソードを聞かせてくださいとお願いしました。すると「意外とスキップが出来ない人が多いため、スキップの指導から始めました」と話してくれました。普通の人にスキップは難しいようです。

(*1) コーパスは実験に必要な大規模なデータの集まりのことです。


■行動推定について

行動推定では、以下の2人が頑張りました。

篠原正幸くん 大学院1年 愛媛県 松山工業高等学校 出身
市川峻太くん 4年生 神奈川県 有馬高等学校 出身

2人は、今まで卒研で行ってきたマハラノビスの距離を使った行動推定を行いました。最優秀賞をとった大学と比べて、認識率は本学が上でしたが、どちらの大学も実用に耐えうるレベルまでは到達していませんでした。そのため、この分野での実績で、惜しくも最優秀賞に届かなかったのではないかと思っています。

受賞の模様 篠原くん(*2)
市川くんと篠原くん(研究室にて)

(*2) UStreamからの画像のため、画質が荒くなっています m(_ _)m。


■各種アーカイブ

この大会(発表)の模様は、以下のアーカイブから見ることが出来ます。

UStreamアーカイブ http://www.ustream.tv/channel/hasc2010
Twitterのアーカイブ http://togetter.com/li/76812


【指導教員談話】
今回の受賞は幸運だったと思います。しかし、今後に向けて大きな励みになりました。加速度センサーを用いた行動推定手法は今年度から新たに取り組み始めたテーマでした。隣の研究室の五百蔵先生が、ちょくちょく研究室に遊びに来て?学生と世間話(指導かも知れませんが)をされるのですが、このコンテストの情報を仕入れて、学生に参加をけし掛けてくれた(裏での体制つくり、実験機材の調達を含む)のが、そもそもの今回の発端です。本件は、五百蔵先生の成果ですね。学生とともに私からもお礼を申し上げます。

学生のみではなく、東芝、NECなど日本を代表する企業の研究者を含めた発表、議論の中で、彼らもこれまでにない刺激を受けたと思います。本件をきっかけにより一層高いレベルで努力していけるようになって欲しいと切に願うものであります。

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