2012年6月13日水曜日

最新設備を見学しました

 一般的に(あくまで、一般論ですが)、大学では大企業に比べて研究予算の規模は大きくなく、実験設備や測定機器などはどうしても見劣りしています(その分、頭でカバーするのが大学の姿ではないか、とのツッコミはご遠慮ください)。しかし、これは凄い!!!という機器もたまには導入されます。他の学科なのですが、声をかけていただけたので、見学会に参加してきました。

 fNIRS(エフニルス、と発音していたように記憶しています)と呼ばれる最新の測定装置が導入されました。導入の主は、本学ロボット・メカトロニクス学科の高尾先生です。この装置は、近赤外光を利用して脳内(表面から20mm程度までの内部)の血中酸素状態を計測して、脳の活性化状態をリアルタイムでモニタするものです。


導入の主役であるロボット・メカトロニクス学科の高尾先生。資金獲得を含めて、今回の見学会の実施までには相当の努力と苦労があったと思われます。表情にも出ている?

これが装着状態です。着けられたら、何を考えているかまでも分かってしまう、なんてことはありません。でも、非常に敏感な装置で、例えば被験者にこれから実験しますよ、と言っただけでも被験者の反応によって計測結果が変化するとのことです。

 通常の脳波センサは頭の表面の電位を計測し、それを周波数解析して脳波として検出するものですが、こちらは脳内の血流を見るので、原理が異なります。


説明に加わった学生諸君。説明、ありがとうございました。測定そのものの信頼性を確保するため、温度、湿度、照度をコントロールするとともに防音シールドされた部屋で計測されます。いい環境です。人が被験者の場合、確かに環境条件によって特性は変わりそうですね。非常に微妙な測定となるので、環境の変化は大きな外乱となると思われます。


 この最新機器を用いて、人間のそれぞれの状況での脳の活動状況が、その脳内の部位を含めて分かることになります。新たな、そして有意な知見が得られ、認知行動科学の分野での本学のプレゼンスが大きく高まることが期待されます。このような機器は使いたくでも使えるものではありません。そのような環境を十二分に利用していきたいものです。

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