2006年12月14日木曜日

独自技術症候群

こんにちはT.Sです。
さて、今回は昨日読み終わった本の話をしようと思います。

今回読み終わった本はこれです。

UNIXという考え方
著者Mike_Gancarz
訳者芳尾_桂
出版社オーム社


この本はN助教授が何ヶ月か前に貸して下さった本なのですが、他に読んでいた本があるなどの理由からなかなかまとまった時間が取れず、通学中のバス内などでゆっくりと読み進めていた本です。N助教授は「原書がずいぶん昔に書かれた本で、内容は古いけど一度読んでみて、その後で何度かパラパラとめくってみてくれる感じで良いから」というような事を言って貸してくれました。

その時、僕は「そのまま借りパクになってしまってもいいですかね?」と冗談で言ったのですが伝わったのか伝わらなかったのか「大丈夫、もう一冊持ってるから」と言ってくれました。この本は見た目は非常に薄い本でページ数も索引まで入れても148ページしかありません。そのため、その時の僕は正直、一回読むまでにここまで時間がかかるとは思っていませんでした。

さて、前置きがが長くなってしまいましたが内容についてです。この本の原書は1996年、つまり10年ほど前の作品となります。そして訳書である日本語版の初版は2001年なので5年前に出版された本ということになります。コンピュータの進歩はすさまじい早さだったため、内容として古いはずだと思うのは当然でした。しかし、この本のすごい所は「考え方が今にも通ずる」と思えた事です。

例えば本書では仕様書を完璧にしようとするよりは世の中に流動的な流れがあることを理解し、今分かっている範囲での仕事をこなすためにできるだけ早い段階でのプログラムの試作を訴えている部分があったりするのですが、これは現在でもスパイラルモデルと肩を並べて「プロトタイピングモデル」として開発手法の中で立派に生き残っています。この考え方も僕の記憶の中に強く残ったのですが、それ以上に衝撃的だったのは「独自技術症候群の話」です。

独自技術症候群というのは「既に存在している物に対してであっても、自分の技術に置き換えようとしてしまおうという衝動に駆られ、それを実行してしまう人」のことです。そういった人達を本書では「再び車輪を開発する」と皮肉を言っています。それを語ったうえで既に存在しているものを活用して有効的に開発を行う方法について触れるのですが、これが僕にとっては凄まじい衝撃でした。何故なら僕も独自技術症候群だからです。口癖として「概存ものを使う有効性は分かるよ?だけど僕はそういうお手軽さみたいなのに甘えたくないね」などと大層なことを言っていたのですから。もっと重症な頃は「お手軽ライブラリなんて使わない」(Windowsの大変有効なライブラリのお世話になっておきながら)という考え方を本気で持っていた時期もあり、この事実はさらに僕の心を深く抉りました。

今でもソースは自分で書ける人でありたいと考えますし、再開発でないのなら新開発の方になりたいという欲求はもちろん消えませんがこの言葉で出会うことで幾らかその危険性、愚かさに気づくことができました。しかし、本書の例では「自分ではソートプログラムもろくに書けないのに大成功を収めた人の話」などが載っていますが流石に全て人のコードの組み合わせで仕事をするというのは納得がいきません。しかし、他者の技術を有効に取り入れ自分の技術に固執しない、という考え方の重要性はしっかりと心に刻み込みました。

最後にこの場を借りて、この本を貸して下さった、N助教授へ御礼を言って終わりたいと思います。

本はもう少し御借りしますがいつも様々なチャンスを与えてくれたり、文句一つ言わずに長話に付き合っていただき、本当にありがとうございます。なかなか成果を出せませんが、とても楽しい時間を過ごさせていただいています。今度また面白い本を紹介して下さい。

感謝はするが本は返さず新たに要求、印刷物固執症候群のT.Sでした。



情報工学科1年 T.S

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