2014年9月17日水曜日

兵庫県立大学と研究交流会を実施しました

  さる16日(火)に兵庫県立大学 大学院工学研究科 システム工学部門の相河先生の研究室と研究交流会を行いました。その模様を報告します。互いの研究室が近いことをやっていること(屋内測位)や教員同士が古くからの知り合いである、という個人的なつながりによるものです。単に研究領域が近いから、というだけでは、緊密な関係は築けないし、このような交流会の実施は難しいと思います。


表紙の製作者は法月君。互いの発表資料を冊子にしました。説明のときのスクリーンを見るだけでは、記憶に残りませんね。

兵庫県立大学の正門前で。皆さん、遅刻なしてやってきました。もっとも、新幹線が一緒だので、そんな心配はないか。

開催の挨拶をされる相河先生。私の前職場での仲間です。専門が全く同じ、という訳ではないです。が、このようなことを行うのは、それ以前に、これまでに築いてきた互いの信頼関係や安心感が一番重要です。

後方からの様子。20名程度の交流会となりました。互いに現在検討中の、あるいは学会で発表する内容を発表し、それに関して質問、意見交換をする形式としました。質問・討論時間は学会より十分長く設定し、忌憚のない意見交換や率直な質問、そしてより改善に向けた提案などが出るように配慮しました。

 



こちらからは、4年生の海老原君と柴田君、そして修士の菅谷君、村田君が発表しました。写真は海老原君と柴田君の発表の様子。海老原君は「センサネットワークとクラウドを活用した創生電力マネージメントシステムの開発」、柴田君は「電動車いすの位置推定誤差補正のための曲がり角検出方法」を発表しました。菅谷君、村田君はブログ頻出につき割愛。
 




質問、コメント、助言をされる県立大学の相河先生、森本さん。森本さんも4年生とのことですが、実にポイントをついた質問をされていました。

お互いの発表終了後の記念写真。県立大学さんからは5件、当方からは4件の発表がありました。



懇親会の前に、姫路市駅前で実験中の道案内シスムの説明とデモを見学しました。このように、実フィールドで実験をやる意義と効果は大きく、当方の学生は大きな刺激を受けたと思います(もちろん、私もです)。












懇親会の模様です。先方の4年生の関君(赤い服の彼)が、交流会の座長と幹事を担当してくれました。姫路名物が出てくるGOODな店でした。しかし、初対面なのによく盛り上がったものです。若い人の特権なのでしょうか?小生の年齢になると、初対面ではそんなに盛り上がれないです。
 










幹事の関君と村田君。最後は機能不全に陥った幹事に代わって森本さんが締めてくれました(カメラが悪くて、よいタイミングでシャッターが切れませんでした。森本さん、申し訳ない。研究室所有のカメラを更改します)

 最初はお互い初対面なので、活発な議論になるかな、と心配していましたが、活発に質問、コメントや示唆となる発言が出ました。お互いにとって刺激になったと思います。私にとっても研究室の運営方法や研究テーマに関して、考えることも多かったです。このような研究交流会の意義を改めて認識するとともに、今後も定期的に実施していきたいと考えています。

++++++++++++++++++++++
 今回の研究交流会の参加学生の感想を以下に記載します。青文字は私の追記、コメント

(改行、個人名の削除以外はデッドコピーです)。実施翌日朝7時までの締め切りとしたので、文章が練られていない可能性大(それが理由ではないだろうとの指摘あり)ですが、報告や感想は拙速を重視します。2~3行で、とお願いしたのですが・・・。本人の許諾なしに削除はできないので・・・
 

S
本学の学生は(自分も含め)質疑応答の時間に誰も質問をしない、または、周りの様子を見て恐る恐る質問をする学生が多いが(今回の交流会では、活発にしていましたね。私も安心しました。)、兵庫県立大の学生は質疑応答の時間になるとノンタイムでほぼ全員が質問をしていた。見習わなければいけない姿勢だと思った。また、質問も鋭く、真剣に聴講している様子を感じた。

私も毎回聴講する際は真剣に聞いているつもりだが、心のどこかに自分の問題ではないという意識があったように感じる。ただ、研究の内容や質問に対する回答などは負けていないと感じたので自信を持って今後も研究に取り組みたい。このような機会を与えていただいた兵庫県立大の相河先生や○○先生(私のこと)に感謝いたします。今年だけでなく、来年以降も継続してこのような交流会を開催していけたら良いと思います。

S
全ての研究が一つのシステムの問題点を解決するための要素になっていました。それは関わっているメンバー全員に責任感が無ければ成り立たないやり方だと思うので、そこが一番見習うべき所だと考えました。

自分達と同じだと思った場所は難しい数学などを使うのではなく、実験より得られた結果を元に考察を重ね工夫をすることで問題を解決しようとしていた所でした。

発表に関しては
今回説明不足だった場所、うまく伝わらなかった場所がはっきりとわかりました。自分の研究室以外の人に始めて聞いてもらったのでとても新鮮な意見を頂けて良かったです。

N

 今回、兵庫県立大学が行っている実際の現場における実験がとても興味深く、私には思いつかない苦労もあるようでした。中には、今回の見学中ではありませんでしたが、実験中に通りすがりの酔っ払いの人から声を掛けられる事もあるそうです。私の実験は大学構内のみで行っているので、実際の現場で実験を行う場合の大変さが伝わって来ました。私の実験も将来的には、実際の現場で行いたいと思っているので良い刺激になりました。
  懇親会では、姫路の食を堪能させて頂きました。姫路は穴子が名物なのか?とても美味しかったです。(姫路市民の方も初めて知ったそうです…)

I
今回の研究交流会に参加し、質疑応答のときの対応が兵庫県立大学の方々は鋭い質問を複数回していたので、発表を聞きその中で理解をし、疑問に思ったことを質問しているのだと思いました。
このようなことは今後見習っていきたいと思いました。

E
兵庫県立大学の研究生たちはpptが見栄えよくまとまっていました。また、研究室全体で一つの分野に取り組んでいて、一団となって研究しているように見えました。研究室の環境などは本学の方が綺麗だったので、その点恵まれていると感じました。また、実際の街中で研究を行っているのは素晴らしいと感じました。

T
兵庫県立大学のみなさんから鋭い質問が飛んでくるとともに自分たちとの知識量の差を感じてしまった。特に、村田さんの発表は自分たちの研究分野なのか活発に討論がされていてとても刺激を受けた。一方で、僕や菅谷さんの研究分野である手話認識に関しては専門外なのかもしれないが、そこまで的を得ている質問は来なかったように感じた。その中でも、発表用のスライドにグラフや式を用いており、とてもわかりやすい資料になっていたのは、○○先生(私のこと)がよくおっしゃっていたことと同じなので、どの大学でもそうなのかもしれないと感じた。

また、兵庫県立大学の方々は自分の発表内容を十分に理解しているためかもしれないが、質問の受け答えがすらすらと出てきて、なおかつ先生のフォローが少なかった。逆に神奈川工科大学のほうは、質問の回答がうまくいかずにだらだらと余計?なことを話しており、先生のフォローがあって理解が及ぶといった感じが多数みられたので、想定質問の内容が全く深くなく、自分たちの知識不足が前面に出てしまったのではないかと感じた。(そこまで卑下する必要はないですよ。)僕も人のことをとやかく言えるほど自分の研究についての知識があるわけでもないので、徳島のソサイエティ大会までには、ある程度の知識を身に着けておきたいと考えた。

姫路の街は、開発途中なのかもしれないのだが、新しくなっているところと古いものがそのまま残されているところがはっきりと見て取れるようになっており、これからどんどん新しくなっていくのが見て取れた。

懇親会は、楽しくみんなでお酒を飲み、姫路の料理を堪能できた。何より、兵庫県立大学の皆さんと様々なことを話して親睦が深まったので大成功だと思う。
 
S
Wi-fiを用いた屋内位置推定(特に案内)を行っていたが、当研究室とやや近い形で、チームに別れ、各々の課題に当たっていた。

•自身の慣性測位手法に関して、先生や、室員のアドバイスも受けながら、研究を進めていくことと同様、県立大学でも室員同士の情報や、基礎概念の共有に重きを置いていられるようであった。(連携がうまくいっていたからこそ、駅前でのデモにおいて、位置推定精度が実感できたと思います)

Wi-fiを用いた位置推定技術を、直接目にしたのは初めてだったが、デモを目にすることで位置推定をするには、十分許容範囲にあるように考えられる

•今後は、シームレスな屋外、屋内の位置推定を行うなど、有望な先が見えると考える。

•研究室外での実証実験は、提案手法などに対しいかなる影響を与えるのかなど知る上で非常に重要であり、我々も取り組みたいと考える

K
今回の懇親会を経て、我々の研究室と比較して研究における取り組み方に大きな相違点を感じました。我々の研究室では複数の異なるテーマで研究を進めていますが、一方で今回懇親会に参加頂いた兵庫県立大学の研究室では、一つの要素技術から成るシステムの実現に着目し、研究室一丸となって同じテーマに取り組むといった印象を受け、研究室によって研究における取り組み方の方針が大きく異なることを実感しました。

M
今回発表者として交流会で研究を発表してきました。聴講者の半分が身内ということで、いつもより緊張せずに発表できたと思います。発表後に研究室のメンバーから「声が大きくなった」「しゃべり方がゆっくりになって聞きやすくなった」などの声をいただき、発表時のしゃべりが改善してきたのだと実感できました。自分でも質問の応対が以前よりもはっきり答えられるようになったと思います。しかし、質問応対用の資料を用意していないなどのミスもあり、まだまだ改善していかなければいけない点も多いと感じました。兵庫県立大学の学生さんたちは皆堂々とハキハキと発表しており、質問の応対もスムーズだったのが印象的でした。自分も負けないように精進していきたいと思います。
 
また、兵庫県立大学生が提案する無線LANを用いた現在位置推定の研究はとても興味を惹かれるものでした。ついつい多めに質問してしまったのですが、みなさんしっかりと応対してくれてうれしかったです。兵庫県立大学のみなさん本当にありがとうございました。

Y
・似たような分野で、討論できて面白かった。
・他大学と交流できる機会は、なかなか無いのでとても貴重な体験であったり、刺激になった。
・またこういう機会があると、親睦を深めたり、研究意欲向上につながって良いと思う。



1 件のコメント:

  1. すばらしいですね。このような対外技術交流は、やりたくてもなかなかできるものではありません。まずは、先方の先生としっかりした関係を持っていること。こちらの学生諸君が技術交流に耐える気概を持っていることが必要でしょう。今回は、それがうまい具合に行った貴重な先例となるでしょう。

    返信削除