2014年9月13日土曜日

NGMAST2014出張番外編と本人の感想(力作です)

 NGMAST2014出張の番外編、要するに出張時の研究発表以外の様子を紹介します。研究発表の様子を見て、俺も!!!というモチベーションは沸きませんが、番外編を見ると、俺も!!!という思いが自然と盛り上がるのでないでしょうか?
 
 発表前の結果のOUTPUT、発表OHPの作成、発表練習が終われば、国際学会発表の90%は完了していると私は思っています。もちろん、現場での発表は大切ですが、それ以外のことが重要だと考えています。せっかくの機会を利用して、外国での経験、知見を積むことは得がたいものとなります。その一つとして、時間を積極的に有効活用して、見聞を広めることがあります。というわけで・・・・(時間を有効に使う、外国ではホテルで(若者は)ゆっくりはしないということが肝要と思います)
 ロンドン到着は8日(月)の午後でした。ホテルに荷物を置いてすぐさま、散策に出かけます。ウェストミンスターからナイツブリッジあたりまで歩きました。

 師範代 篠原君と2011年に行ったことがありますが(リンク)、村田君にとっては初めてなので・・・。写真の地名は恐縮ですが、リンク先を参照ください。要するにほぼ同じところを歩いています。

まずは、ロンドン到着やれやれです。ここまでの時間の無駄遣いはありません。

  9日(火)は、Oxfordへ移動しなければなりませんが、せっかくの機会なので、Oxfordに行く前にツアーに参加しました。コッツウォルズという、添乗員さんがいうところの“高級田舎“へ行きました。ここは、産業革命の恩恵を受けることがなく、結果として古きよき姿(14世紀ごろに羊毛産業の集積地として栄えた姿)が残っているエリアです。

 順に集合場所だったビクトリア駅(確か、ユーロスターもここから出ている)、途中の車窓からの風景、そして4箇所バスで訪問したそれぞれの場所です。場所の名前はガイドブックをみないと分かりません。





写真がうまく納まらず、申し訳ありません(私の机の上のように散乱しています)。バスに乗って4箇所ほど周りました。ロンドンから2時間もかからないで、このような田舎につきます。”高級田舎”といわれる所以が理解できます。

+++
脱線
 バスの添乗員さんのガイドというか説明は素晴らしかったです。「私はガイドではないです。」ということでしたが。イギリスの階級制度を含めた歴史や住宅事情、その他、非常に知的興味を刺激されました。「歴史を学ぶことは、古きを知ることではなく、今を知ることであり、未来を考えることである。」というような文言があったように思いますが、まさにそれを体感しました。

 今回の出張で一番印象に残ったのは、村田君には失礼ですが、村田君の発表ではなく、この添乗員さんですね。日本の勢いと関係ないのかも知れませんが、ロンドン三越(私はロンドンに来たときはいつも行っていた)も閉鎖となり、だんだん日本の影響力がロンドンの中で小さくなっているのでしょうか? その中で、彼女のようにロンドンで仕事を得て、生活している人の今後に関して、ちょっと感傷的になりました。彼女はちゃんとしたプランがあるのでしょうけど・・・。ほんの短い時間、彼女の英語を聞きましたが、惚れ惚れするものでした。
+++

 金曜日12日昼に学会は終了しましたので、すぐさまロンドンに戻って8日では見られなかったところに向かいます。シティと呼ばれるエリアから繁華街であるソーホー周辺を周りました。5時ごろから8時くらいまで歩き回りました。さきほどと同様、建物名は篠原君のときの記事を参照ください。










 







 村田君は、満足したでしょうか? 研究に対する一つの区切りになったことは確かだと思います。理想的には、今の発表を行っているときには、既に次の発表の内容が見えつつあるべきなのですが、どうでしょうか? 

 今回の発表は彼の努力によるものが一番ですが、自分の努力だけではなく、研究室の先輩の蓄積の上で、発表できていることを客観的、謙虚に振り返ってほしいとも思います。会社でもどこでも、基本はあるベースがあって、そこから積み上げていくのが通常ですので、決して卑下する必要はないです。しかし、謙虚に振り返り、そして今度は自分が後輩のための次の礎をつくっていくのだ、という意識をもっと高めてほしい、ということで今後の加速を大いに期待します。

+++++++

最後に村田君の今回の出張の感想を記載します。学会発表版と番外編に分けて感想を、とお願いしましたが、一気に書き上げてくれました。非常に長いですが、そのまま掲載します。


情報工学専攻1年の村田です。今回9/89/13イギリスに滞在し、オックスフォードで開催されたNGMAST2014Next Generation Mobile Applications, Services and Technologies)に参加してきました。

現地に到着したのは8日(月)の現地時間13時頃で、約12時間のフライトでした。空港に無事到着したものの、入国審査で躓いてしまいました。入国審査対策を行ってきたつもりだったのですが、予想外の質問に混乱してしまいました(先生に助けてもらいました)。
 
その後は特に問題もなくパディントン駅に到着しました。まず駅に着いて驚かされたのが町並みの違いです。日本と違い、駅周辺が高いビルに囲まれているというわけではなく、古くから残る石造りの家ばかりだったからです。これはイギリスの人達は昔からある建物を壊すのではなく、内部をリフォームして再利用しているからとのこと。
 
もう一つ驚かされたのが、道路の横断です。イギリスは歩行者用信号の青の時間が非常に短く、自動車の方が長くなっています。そのせいか信号無視で渡る人が多かったことに驚かされました。

ホテルに着いた後はロンドンの名所を観光してきました。
*******************

移動には地下鉄を利用したのですが、この地下鉄もなかなかの曲者で、イギリスでは乗り越しは違反となっており、罰金£20(日本円で約3400円)取られてしまいます。また、同じホームに別の路線の電車が来る為、電車移動も気が抜けません。

ウエストミンスター駅を降りるとすぐ目の前にビッグベンが待ち構えていました。ウエストミンスター駅は前述のビッグベンを始め、バッキンガム宮殿やウエストミンスター寺院など名所が集中しています。各所を回った後はハロッズがある、ショッピング街が有名なナイツブリッジへ行って、お土産の下見をしてきました。ロンドンは所々に目を引く建物が多いため、何度も足を止めてしまい、ホテルに戻ったころにはくたくたになってしまいました。

翌日の9日(火)は朝6時くらいにホテルを出て、「憧れのコッツウォルズ周遊1日観光ツアー」に行ってきました。
********************

コッツウォルズというのは地名ではなく、オックスフォード、グロスター、スタフォードに囲まれた田園都市地域のことをいいます。元々は羊毛で栄えていた地域なのですが、ロンドン近郊にもかかわらず産業革命時に作られた鉄道網から外れてしまい、工業化の波に乗れませんでした。しかし、そのおかげで現在まで古いイングランドの面影を残した地域として特別自然美観地域に指定され、観光地として非常に人気が高い地域です。また、そののどかな雰囲気から老後の隠居先に選びたいという人が多く、田舎なのに土地が高いという「高級田舎」になっています。

ツアーはまず、町の中央を通るハイストリートが有名なバーフォード、次にマス養殖で有名なハイブリーを、町の中央に古川が流れるボートン・オン・ザ・ウォーターで昼食を取った後、メインストリートにおしゃれなお店が立ち並ぶブロードウェイを周って、ロンドンに戻りました。バーフォードはライムストーンの古くから残る家々が立ち並び、その雰囲気に心が癒されました。バーフォードにはパリッシュ教会という古い教会があり、ツアーで案内されたのですが、今回は運悪く中を見学することはできませんでした。しかし、近くに小川が流れる歴史ある教会の景観だけでものどかな気持ちにしてくれる良い風景でした。

次に訪れたハイブリーにはマスを養殖する池と白鳥の住む小川があり、なんとそこには非常に珍しい黒鳥もいました。ハイブリーでは案内板に日本語が並記されており、日本人観光客が多く訪れているという印象を受けました。
ハイブリーの後はボートン・オン・ザ・ウォーターに訪れました。ここはツアーの昼食の場としても有名らしく、このツアーでもここで昼食を取ることになりました。町の中央を流れる小川のせせらぎを聞きながら昼食・・・といきたかったのですが、残念ながら外の席が埋まっており、パブの中で昼食を取りました。

ところで、パブというとお酒を飲むところというイメージが強いですが、イギリスでは老若男女に関わらず食事の場としても利用されており、ロンドンではレストランよりも多く見かけました。このパブではイギリス名物フィッシュ&チップスを食べました。白身魚はあまり好きではないのですが、ここの白身魚はとてもおいしかったです。バスに戻るときにアイスを買って川のほとりで食べました。コッツウォルズではアイスの店をよく見かけます。牧場が多いのでしょうか。

コッツウォルズの最後はブロードウェイを訪れました。ブロードウェイはコッツウォルズの中でも特に大きい町で、お店も多く、ショッピングに適した町です。ここにはリゴン・アームズというチャールズ1世やオリバー・クロムウェルも宿泊したといわれるホテルがあります。少し離れたところには有名なブロードウェイタワーもあるのですが、滞在時間の関係上立ち寄ることはできませんでした。ちなみにブロードウェイタワーはお金と時間を持て余した貴族が作った特に意味もない塔だそうです(それでも第一次大戦時には見張りに使われたとか)。

これでコッツウォルズの旅は終わりなのですが、ロンドンに戻ってからもガイドさんにロンドンにまつわる知識を教えていただきました(ここに書いてある情報の大半もガイドさんから)。ロンドン周辺の土地の大半は現在4つの貴族と王族の所有しており、ロンドンにあるお店や家はこの貴族に賃貸料を支払っているそうです。そのため、日本人に愛されてきたロンドン三越店が再開発で撤退してしまったそうです。

また、イギリスではよく地下のある家を見かけますが、これは貴族がその家を利用していたころ、家の階ごとに役割があって、地下室は使用人の作業階になっていたそうです。博識なバスガイドのおかげでコッツウォルズからロンドンまでとても楽しむことができ、充実した一日になりました。ツアーの後は会場であり、大学で有名なオックスフォードに移動しました。

10日(水)は発表日です。海外での発表が初めてで緊張していたこともあり、前日は全く眠れず、朝まで部屋で発表練習を行っていました。それが後々に響くのですが・・・。会場はオックスフォード大学のセント・アントニーズカレッジというところです。基本的にオックスフォード大学のカレッジは昔からある大学施設を利用しているのですが、セント・アントーニーズカレッジは新しく作られた建物が多い感じでした。昼食はカレッジ内の食堂で食べました。オックスフォード生と同じ食堂で食事を食べていると思うととても感慨深いものがあります。

午後はいよいよ発表です。発表は徹夜の努力のおかげで緊張しやすい自分にしては落ち着て大きなミスもなく発表できたと思います。質問も頂いたので、内容もなんとか伝わったと思います。ただ、他の発表者の人達がみんな原稿を見ずに発表しているのに対して、自分だけ原稿を見ていたのでまだまだ練習が足りないなと思いました。また、質疑応答(学会に限らず)も先生に頼りっぱなしだったので、次に海外行くときはしっかりと英語を勉強してから挑みたいと思いました。

学会のことよりも観光の方が多いのは、私も理解でいます(^^)(指導教員補注) 。

********************

 学会終了後はオックスフォードを探索しました。イギリスは日が長く、学会後でもまだ明るいです(20時くらいまで明るい)。夕食は大学から離れたパブで食べました。ステーキを頼んだのですが、パブとは思えない値段でした(でも非常においしかったです)。イギリスは物価が高いので食事だけでもお金がどんどんなくなります。

11日(木)は前日の徹夜が原因で体調を崩してしまったため、半日休んだ後オックスフォードを再探索してきました。学園都市であるオックスフォードの大学は言わずと知れた名門大学ですが、オックスフォード大学というのは39のカレッジから構成される総称のようなもので、オックスフォード大学というカレッジは存在しません。各カレッジも独立性が高いので、入学規定も各カレッジで大きく異なるのだとか。

オックスフォードといえばカレッジとその関連施設が名所なので大学ゾーンを周ってきました。オックスフォード駅東側はカレッジが密集しており、大きくて古い建物があれば大抵はカレッジかその関連施設です。まさに「大学の中に町がある」という感じです。どのカレッジも歴史と趣あるすごい建物ばかりで、とても楽しめました。特に大きなカレッジだと、もはや貴族の豪邸としか思えないような建物で、有名なクライストチャーチにある食堂はハリーポッタで出てくるあの大きな食堂のモデルになったところです(現在でも現役で使用されているとか)。

今回は先生(教員はちゃんと学会に出ています(~~)教員補注)とは別行動だったので、一人でアフタヌーンティ(?)を楽しみました。夜は学会の懇親会に参加しました。19:30集合だったのですが、時間になってもなかなか人が集まらず、全員が集まったのは結局20時頃でした(文化の違い?)。ディナーは事前にメニューを選択して伝えてあり、自分はサラダにシーザーサラダ、メインにローストビーフ、デザートにパンナコッタを選びました。シーザーサラダを食べ、ワインを飲んで、さぁいよいよメイン!となりましたが、いつまで経っても謎のサラダしか来ません。同じ疑問を持った先生が他の人に聞いたところ、なんと自分たちが選択したのは「roast beef」ではなく「roast beets」だったということ!

*******************

ちなみにroast beetsはベジタリアンの人用で肉なんて1グラムもありません。楽しみにしていたのにすごく残念でした・・・。その後はワインで酔ってしまったのでそそくさと退場しました(先生付き添いありがとうございました)。

12日(金)は学会最終日です。先生が最終日の座長を依頼されていたので、先生の雄姿を撮影してきました。
 









********************
午後ロンドンに戻り、初日で周り切れなかった名所巡りとお土産を買いに行きました。

13日(土)はイギリス最終日です。まずいと言われるイギリス料理が不安でしたが、今回食べたものはどれもおいしかったです(roast beetsは除く)。文化の違いに驚かされるところも多かったですが、歴史ある建物等を多く見ることができ、見識を深めることができました。


今回の学会では、自分の英語力のなさを痛感させられました。今回の学会では学生の参加は少なく、日本人も自分たち以外いなかったのですが、みんな英語を当たり前のように使いこなせており、全く会話ができない自分が恥ずかしくなりました。中学から英語の勉強をちゃんとしてこなかったツケがここに来たのだと思います。これをきっかけに英語の勉強しっかりと行っていきたいと思います。このような学会、海外経験の機会を与えてくださった先生ならびに大学には非常に感謝しております。この経験を活かせるよう、学業と研究に励んでいきたいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿