2014年3月10日月曜日

オーストラリア大陸縦断チャレンジWSC2013 砂漠編1

10月6日(14日目)前半


これまでのあらすじ

 いよいよ本日から競技開始です。参加カテゴリは3つあり、4輪車両のチャレンジャークラス、箱型で2名乗車のクルーザークラス、そして我々が参加する3輪車両のアドベンチャークラスです。この順でのスタートなので余裕があるとはいえ、暗いうちから会場に車両を運び入れます。

パドックの様子

朝食を胃袋に叩き込む

 スタート会場では一般の観客が大勢集まっており、ソーラーカーを間近で見られるということでおおいに賑わっております。太陽がギラギラと本気を出し始めた頃、ソーラーパネルからの出力を測ってみると「電圧が出ていない!」「おかしい!」大ピンチです。これまでも重大な問題が発生しすぎていたので私は今さら驚きもしませんでしたが、とにかくスタート時刻が迫っているので原因を究明します。結果的には前日最後まで作業していた配線にミスがあり、大事な基盤がダメージを受けてしまっていたのでした。大至急破損箇所を特定し、電力が供給されたのを確認できたときにはスタート時刻を過ぎていました。

「よし、出発だ!」とケーブルを接続し、ブレーカーを入れた瞬間

 ボン!

今度は基盤が爆発しました。さすがにもうダメか?いやいや、とにかくバッテリーは満タンだからスタートしよう、ということで回路を切断します。このとき残っていた車両はKAIT SPIRIT号だけだった(当然)ので観衆が集まってきてある意味最大の注目度でした。スタートラインでカメラを構えていた総監督は何が起こっていたのか知らなかったと思いますが、とにかくここでお別れです。予定よりだいぶ遅れたスタートとなりましたが、3000キロの旅に出発です!

この大衆が全員注目
 ソーラーカーは先導車と後続車でガードしながら走行します。これと最後尾のトラックを合わせた4台がKAIT WSC Projectの一団ということになります。が、このときあまりにもパニックだったので誰がどの車に乗るかが決まっておらず、行け行け言われたので出発してしまいました。あれ?○○くんはどこ?△△さんは?みたいな状態になってしまって、でも「なあに、みんなトラックに乗って追いかけてくるさ」と超楽観主義っぷりを発揮したのでした。でも、トラックは定員が3名なんですが・・・・

 10キロほど走って市街を抜けた頃、ソーラーカーから「なんか焦げ臭い」と無線が入ります。ソーラーパネルが車体側と接続されていないとはいえ、この晴天なのでエネルギーは大量に発生します。繋がっていた基盤のうち、ダメージが残っていた部分が焼損した模様です。路肩に車を止め、応急手当(配線をバツバツ切る)を施して再スタートです。途中、少しでも無事な部分を活かそうと何度か足を止めて補修作業が行われました。結果的に初日は30%くらいの出力しか得られなかったと思います。
絶好の発電日和でした

 ところでこのキャラバン、我々KAIT WSC Projectのメンバーに加え、トラックドライバーのダンカン、その息子ミッチェル、オブザーバのステファンという12名で構成されています。オブザーバはチームと寝食を共にし、不正がないか監視するため各チームに派遣されるオフィシャルです。ステファンさんはアデレード在住で、今大会では非常にお世話になった方です。この話は、また後ほど。
中央の長身男がダンカン、日陰に避難しているのがミッチェル

つづく

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