2015年7月21日火曜日

第4話:実験Iがバーコードで管理される

バーコードに夢見ての第4話「実験Iがバーコードで管理される」です。

目次
  • バーコードに夢見て (リンク
  • 第1話:無料のバーコードリーダーを使えるようにする (リンク
  • 第2話:JANバーコードを作る (リンク
  • 第3話:プリンタ印刷時にフッタにバーコードをつける (リンク)
  • 第4話:実験Iがバーコードで管理される (リンク
  • 第5話:学籍番号がバーコードになったシールを配る (リンク
  • 第6話:学籍番号と課題番号をバーコードを短冊状に印刷して配る (リンク
  • 第7話:表紙作成マクロ (リンク
  • 第8話:QRコードの作り方を書いた解答用紙を配る (リンク
  • 第9話:QRコード自動埋め込みレポート用紙 (リンク
  • 第10話:ラベル屋さん9 web版を使う(研究) (リンク
  • 第11話:ラベル屋さん9 web版を使う(バーコード付き学籍番号シール) (リンク) 
  • 第12話:無償のバーコードフォントを見つける (リンク)

    ■まえおき

     実験Iという科目がありました。少し前の基礎実験、現在は基礎ユニットと呼ばれる科目です。この科目は、1課題を2週間で終わらせます。各課題に教員が割り当てられています。つまり、学生さんから見ると、2週間ごとに、順番に6教員にお世話になり、6課題をこなします。

     レポートには、再提出などがあります。この頃は今よりも再提出が多かったです。この提出状況を、とりまとめの先生は把握しなくてはいけないので色々大変です。これがバーコードで管理されるようになりました。バーコードで管理するために、各教員にバーコードリーダーが支給されました。またバーコードフォントも配られました。私の今までの技術と経験がお金で解決されています (T_T)。

     これらのシステムを構築したのは私ではありません。そのため、他の人が実現したバーコードによるレポート管理の話です。レポートの表紙の年代を見ると、2002年ごろの話だと分かります。


    ■USBキーボードとして認識されるバーコードリーダー

     USBキーボードは、HIDインターフェースとして統一されています。USB接続のバーコードリーダーは、このHIDインターフェースとして実現されていることが多いです。この利点として、特別なデバイスドライバーが要りません。PCから見ると、バーコードリーダーはキーボードです。ただ、形が特殊なだけです。USB接続で、ドライバ不要という、非常に便利なもの(バーコードリーダ)が配布されました。
    1次元バーコードリーダー
    追記(2015-07-27): 1次元バーコードリーダーはいくらするのかと質問されました。性能の良いものは、工場のラインに使う高性能・高価格なものがあります。一般的な性能でよければ2,970円の1次元バーコードリーダーが見つかりました。この値段なら、気軽に買えますね。

    ■フォントでバーコードを印刷する

     Windows用のフォントとして、バーコードがあります。配布されたのは、「Hitachi IT Code39 H8」というフォントです。その名のとおり、Code39というバーコードを生成します。数字を入力すると、その数字に該当するバーコードが表示されます。非常に便利です。

     このフォントも便利です。このフォントも配布されました。
    バーコードのフォントを指定して「123456789」と入力した例

     フォントのインストールも簡単で、c:\Windows\Fontsにコピーするだけです。繰り返しますが、簡単です。

    ■表紙を印刷する

     実験Iでは、実験を終了した後、口頭試問を受け、口頭試問に合格すると担当教員の印が押された表紙が貰えます。
     今までの表紙は、色紙に印刷された紙でした。これを、各学生ごとのバーコードが印字された表紙にします。今までは表紙はまとめてリソグラフ(輪転機)で印刷していましたが、これからはプリンタで差し込み印刷することになりました。これは、それほど手間ではありません。
    差し込み印刷版の表紙
    表紙の中で「《》」の括弧で囲まれている部分が差し込み印刷部分になります。学籍番号、氏名など、バーコードで管理される情報が、あらかじめ記載されるようになりました。学生さんも手書きの部分が減って少し楽になったかもしれません。


    ■集計システム

     このシステムは、各実験担当者が使うプログラムや、まとめ役の主査が使うプログラムからなります。まとめ役の主査の先生がこれら一連のプログラムを作りました。
    レポート管理画面

     「出欠状況入力」、「レポート採点」のボタンがあります。このボタンを押して、フォームを出力させ、該当レポートのバーコードを読み込むことで、以下の採点表に記入されていきます。
    学生の出欠状況およびレポート提出状況


    素晴らしいシステムです。


    ■システムをカスタマイズして使う

    採点するときは、「レポートのバーコード」と「得点のバーコード」を対にして読み込む必要があります。イメージ的には以下の感じです。
    10012    # 学籍番号
    80         # 点数
    10023    # 以下、「学籍番号、点数」の繰り返し
    80         
    10011    
    70         
    10014    
    80         

    このインターフェースだと、何度も点数を入力する必要があり面倒でした。そこで、改良することにしました。レポート管理画面に「拡張機能」というボタンがありますが、これは、私が追加したボタンです。

    まずレポート採点するときに、点数ごとに同じ山に積んでいきます。そして、拡張ボタンを押して、「得点のバーコード」を読み込みます。そして、次に「レポートのバーコード」を続けて読んでいきます。イメージ的には以下の感じです。
    80         # 点数(80点)
    10012    # 学籍番号(以下、80点の人の学籍番号)
    10023    
    10014   
    70         # 点数(70点)
    10011    # 学籍番号(以下、70点の人の学籍番号)
    そのまま使っても、便利ですが拡張機能を作ったことで、さらに便利になりました。


    ■このシステムのその後

     まとめ役の先生が他大学に移られたので、もうこのシステムは使われなくなりました。私も当時の実験I(基礎実験、基礎ユニット)の担当から外れていました。でも手元にバーコードリーダーは残りました。


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