2012年1月23日月曜日

卒研生が国際会議で論文発表しました


卒研生の川端詩織さんと小山瑛子さんが、共同で行った卒業研究の内容を国際会議AROB'17(The 17th International Symposium on Artificial Life and Robotics, 別府ビーコンプラザ)で発表しました。技術的にはまだまだ未熟ですが、自分たちの発案を独自の実験システムの形に纏め上げたことは大きな成果です。
発表した論文のタイトルは以下のとおりです:
Shiori Kawahata, Eiko Koyama, Tsuyoshi Miyazaki and Fujio Yamamoto:
Producing text and speech from video images of lips movement photographed in speaking Japanese by using mouth shape sequence code - An experimental system to communicate with hearing impaired persons -
(Human-machine cooperative systemsというセッションで発表)
次の写真は、小山さんの発表場面です。ふたりの共同研究開発の成果を英語でプレゼンテーションすることができました。発表スライドには、川端さんが口パクを実演したビデオも含まれていました。この研究は、簡単に言うと、口パクの映像を解析(機械読唇)して、それに対応する日本語のテキストを生成し、それをTwitterへ送信するものです。Webアプリケーション開発や映像処理、あいまい検索などの技術が使われています。相手からの音声による返事もTwitterのタイムラインに、テキストとして表示されました。


プレゼンテーションが終わり、質問にも的確に答えていました。質問しているのは、台湾の大学の先生です。

卒業研究は、大学での勉学のまとめとしての重要な段階です。彼女たちは、今回の研究開発において、情報工学科で学んだ知識や技術を十分活用できたと思われます。入学前には想像できなかったくらいに成長したのではないでしょうか。技術的な面だけではありません。例えば、今回開発したシステムは、聴覚障害者を支援することをめざしたものです。そのためには、「聴こえない、発声できないとは本質的にどういうことなのか」「聴覚障害者とコミュニケーションをはかるうえで、どうすれば、より良い改善になるのか」などにも思いめぐらせることになりました。社会で役立つ情報システムのありかたについても考える機会となったのです。
学生の時に、一歩外へ出て、自分の論文を英語で発表することは貴重な経験となります。関連分野の研究者や同年代の他大学の学生の取り組みをその場で直に知ることも大きな意味があります。発表時だけでなく、休憩時間やバンケットで他の人と話をすることもできます。少なくとも、そういう雰囲気を経験できました。
以下の写真はバンケット会場(ホテル白菊)で撮影したものです。右から、小山さん、川端さん、山本、宮崎先生です。ふたりの研究開発したシステムは、宮崎先生の基礎的、理論的な研究をベースにしています。卒業研究のテーマを決めることは簡単ではありません。普段から(低学年の時から)、自分でも社会の動向や技術に対して敏感であるように努力することは良い結果を生むでしょう。



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