研究会は、学会の特定の研究領域に属するメンバーが参集して行う成果発表会であり、通常の全国大会あるいは、総合大会と呼ばれるものに比べて規模は小さいものの、提出原稿のページ数も多いし、発表・質疑応答時間も長く、より深い発表と議論ができます。
18、19日の両日、電子情報通信学会のユビキタスセンサネットワーク研究会(USN研究会)が鳥羽の老舗旅館「戸田家」で開催されました。この研究会は、センシング、ネットワーキング、コンピューティングなどに係わる基礎理論、要素技術、システム技術、アプリケーション技術などに関するものがテーマです。スマートフォンにも多数のセンサが内蔵されていますが、いま、まさにホットな領域です。
通常、学会、研究会は大学や公的な施設で行われますが、たまにはこのような観光旅館でナイトセッション(要するに懇親を兼ねた(大)宴会+アルファ。議題はお堅いです)付で開催されることもあります。ここで修士2年の篠原君と須永君が発表したので報告します。観光旅館に惹かれた、ということもあると思います。
会場となった老舗旅館です。近鉄鳥羽駅から徒歩数分です。大型観光バスが何台も横付けされていました。囲碁、将棋のタイトル戦もこの旅館で何回も行われているようで、有名な棋士の色紙が数多くありました。
旅館の正面玄関。研究会ご一行様の看板の前で。今回は発表者の篠原君、須永君以外に共著者の修士1年秋山君、4年生の斉木君も同行しました。質問対応と動向調査が彼らの参加目的です。質問対応はアンタ(筆者)でしょう、ということはないです。彼らのほうが私よりも詳しいです。
昼食は弁当です。旅館では昼食はでません。私は、「先生も弁当注文しますか?」との声を無視?して頼みませんでした。付近を散歩がてら、食べに行きました。目の前に英虞湾が広がっています。天気がよければ・・・
いよいよ発表です。順番は須永君が先でした。タイトルは「慣性センサを用いた歩行者の屋内位置推定法に関する基本実験と評価」です。慣性センサとは、スマートフォンにも内蔵されている加速度センサやジャイロセンサのことです。これを用いて、歩行者の動きから屋内での位置を推定する技術です。カーナビで使っている技術も導入しています。屋内でGPSが使えないのは、皆さんもご存知ですね。
発表中の須永光君。発表もかなりの回数やってきているので(リンク)、私も横から見ていて、「何やってんの?」ということはありません。
3件の他の大学からの発表後は篠原君の番。タイトルは「Android端末を用いた空中文字描画によるユーザインタフェースとその応用」です。去年10月のCEATECで展示(リンク)したものを拡張した発表です。9月の発表(リンク)とは全く別の内容です。
彼も場慣れしています。学生らしい、初々しさが少しはあってもいいと思いました。体格もいいので、態度がでかく見えないか私は心配しています。
ナイトセッションの1コマ。宴会の中で、話題提供と質疑応答があります。隣の宴会場からカラオケ大会の様子が漏れ聞こえました。
飲み始める前のご一行。このとき、隣の私は風呂上り、浴衣でくつろいでいました。老舗旅館の露天風呂(混浴ではありません)を満喫?できました。発表できる成果を出してくれた学生諸君に感謝!!!
今回は、卒業間近の時期でもあり、他の大学からも主に修士課程の学生を中心に多くの発表がありました。彼らと比較するという意味ではなく、客観的に自分たちの研究レベルを認識するよい機会であると考えます。彼らも新たな刺激を受けたと思います。
私も学生引率という立場ではなく(学生が立派なので(成長しました/させました)、その必要はありません)、研究動向の把握や他大学、企業の方との情報交換を目的に参加しています。また、他大学の発表する学生の皆さんにエンカレッジ(要するに暖かく励ますということ)するような質問をして、僅かでもこの分野の活性化や人材育成に寄与するのも私の仕事の一つです(また、いい格好してしまいました)。
PS)
本レポートは公式報告です。「番外編」として、笑わせる記事(笑われる記事ではありません)を書け、と依頼しています。早々にアップされることを期待しています(修士論文、卒業論文の締め切りが近いですが、複数の仕事を並行してできないと社会では通用しませんね)。みなさんもご期待ください。
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